二十四節気はすでに秋分に入り、空はすっかり秋の気配が支配しています。朝もだんだんと気温が下がってきました。過ごしやすい季節になりましたが、夏がまたひとつ過ぎ去ってしまうのかと思うと少し寂しい気もします。
十月から十二月の前半くらいまで、約二ヶ月間は本当に過ごしやすい季節です。天気の良いなかを散歩をするのは本当に気持ちがよく、毎日歩いていたいと思わせます。
通勤中にふと思ったのですが、仕事をしていると思い切り季節を感じることができるのは週末の二日間だけです。つまり一ヶ月に八日ないし十日程度、秋の二ヶ月ならば十六日から二十日程度しか楽しむことができません。もし毎日働かずにいるのならば、六十日間まるまる季節を感じることができます。これは本当にしょうがないことですが、なんだか勿体無いような気もしてきます。
季節の草花が一日ごとに少しずつ入れ替わって、空も少しずつ遠のいていき、日差しもだんだんと傾き、肌に触れる風を冷たく感じるようになります。このような移り変わりをぼんやりと毎日観察することができたら、なんて幸せなのでしょう。
人間は働かなければまともに生きてはいけませんし、逆に働かないと日々の移り変わりも平凡に感じてしまうのでしょうから、おそらく無い物ねだりなのかもしれません。しかしながら無い物ねだりになってしまうのも、人間の性(さが)なのかもしれません。
それならば気を取り直して、週末の休日をできるだけ楽しむことに集中したほうが幸せなのかもしれません。荒川土手をのんびり歩いたり、シートを広げて商店街で手に入れた焼き鳥を頬張ったり、野鳥観察などができれば幸せです。
引き続き、海外へ出張したり、ライブの準備をしたりと忙しくなりそうですが、少ない秋の季節をできるだけ味わいたいなと思います。