洞窟の坂:小日向の鷺坂

月刊群雛 (GunSu) 3月号に掲載されている「洞窟の坂」。
今回はタイトルにもなっている坂のモデルとなった小日向の坂を紹介します。

東京都文京区小日向:鷺坂

東京都文京区小日向。東京メトロ有楽町線「江戸川橋」「護国寺」、丸ノ内線「茗荷谷」辺りからアプローチできる高台の街です。
坂の下から小日向に向かおうとすると、石やコンクリートで覆われた崖に囲まれているのが分かります。

東京都文京区小日向

この街の周りを取り囲む坂は無数にあり、どれも趣のあるものばかりです。
小説「洞窟の坂」に登場した坂はそれらのイメージを組み合わせた創作による坂となります。
その中でも特に印象の近い坂が、江戸川橋の交差点に近い鷺坂(さぎざか)です。

東京都文京区小日向:鷺坂

古くからある石積みに囲まれた急勾配の坂で、直角に近いかたちで道路が曲がっています。
往来も多く地域に住む人々の生活に溶け込んでいるようですが、とても静かで落ち着ける場所です。
劇中に登場する主人公も洞窟の坂を歩いて物思いに耽りますが、この坂を上っていると彼女の気持ちがわかるような気がしてきます。

東京都文京区小日向:鷺坂

隣接する住宅の壁も歴史を感じさせる佇まい。
この壁と隣の崖に挟まれていると、本当に洞窟を通り抜けているような気がします。
雨の降る日は幻想的な「静けさ」に包まれることでしょう。

東京都文京区小日向

鷺坂を抜けると道は二手に分かれますが、相変わらず急勾配の坂が続きます。
その間には住宅がびっしりと建てられており、さながら天空の都市を想像させます。

これからさらに上っていくと、東京を一望できる場所に辿り着くことができます。それもひとつだけではなく幾つも存在しますので、次回に紹介したいと思います。

月刊群雛2014年3月号 ※「洞窟の坂」掲載
BCCKS(オンデマンド印刷版・電子版)Amazon Kindleストア、iBooks Store、楽天Koboで発売中。

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