春は別れの季節

春は別れの季節といいますが、歳を重ねるごとにそのような気持ちがわからなくなってきている気がします。

東京都豊島区高田:タンポポ

私が最後に卒業式に出席したのはいつでしょうか。数えてみると、そろそろ四半世紀も前になります。中学生の頃は小学生の気持ちがわかり、高校のときは中学時代の感覚を覚えていました。それが社会人になるとすぐにわからなくなり、現在はどちらかといえば親世代の気持ちのほうが親近感がわくようになっています。そのような結果、学生の春に感じた「別れ」の感情も霧に包まれたようにおぼろげになっています。

もちろん、社会人になっても新入社員と接したり、年度末に退職する人々がいて「春は別れの季節」を感じることはありました。しかしながら、学生特有の明確な「別れ」を自分自身で感じることはありません。どちらかといえば、寒い季節から暖かい季節に移り変わる喜びをしみじみ感じています。

東京都豊島区高田:メジロ

学生時代にはさまざまな人たちと交流し、絆を深めていました。それらの人々とはほとんど会う機会がなく、時折どうしているのだろうと思うこともあります。SNSなどを駆使すればすぐに再会することもできるのでしょうが、敢えてそうせずに惜別を抱え続けたほうが、彼らへの思いを大切にできるような気もしています。

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