外猫との再会

外猫は一期一会を感じさせる生き物です。毎日同じ場所にいたかと思えば、ある日突然いなくなってしまいます。

猫のいちごさん

以前にも同じようなことを書きましたが、一週間ほど前に何ヶ月も姿を現さなかった猫と再会しました。彼は「いちご」という雄猫で、外飼いされていました。

飼い主は近所のお婆ちゃんで、いちごさんを撫でていると話しかけてくれるやさしい方でした。彼はお婆ちゃんのことが大好きで、しわがれつつも甘い声をあげて愛情を一所懸命表現していました。

しばらくするとお婆ちゃんは姿を見せなくなり、いちごさんだけがいつものように路上にたたずんでいました。彼はとても人懐っこいので、撫でるとごろごろと転がりながら恍惚な表情を浮かべるのですが、お婆ちゃんがいた頃に比べるとおとなしくなり、どこか寂しげでした。

猫のいちごさん

昨年の十一月後半から彼も姿を見せなくなり、いくら探しても見つかりませんでした。私のパートナーが飼い主のご家族を見かけたので様子をうかがったところ、喧嘩が強い猫が最近現れたために家のなかで飼うようになったと教えてくれました。

いちごさんを見かけなくなって五ヶ月ほど経っていたので、最悪の事態には至っておらず安心しました。彼と出会ったのは四年以上前なので、もう若い猫とはいえません。家の中のほうが安全なので、健やかに過ごしてほしいと思いました。しかしながら、やっぱりもう一度会って話しかけたいと思う気持ちもありました。

猫のいちごさん

最近になってパートナーが彼を見かけたというので私も会えないかと思っていたところ、ガレージの奥にいるのを発見しました。気分次第では見向きもしないのですが、声をかけたところまっしぐらに向かってきて、ごろんと転がり迎えてくれました。

年齢の影響か少し痩せて毛並みはぼさぼさでしたが、しわがれた鳴き声も変わらず、とても元気そうでした。しばらく話しかけながら撫でていましたが、彼も嬉しそうに応えてくれて幸せなひとときを過ごせました。

突然の別れがあることは重々承知していますが、やはり再会できると嬉しいものです。またしばらく会えないでしょうが、これからも元気でいてほしいと思います。

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