先日三月十五日に開催されたRosco Motion Orchestraのライブにカメラマンとして参加しました。メンバーの方々は相変わらず朗らかで、春の日にふさわしいのんびりとした時間を過ごすことができました。
Rosco Motion Orchestraとの付き合いは長く、最初のライブから足を運んでいます。リーダーの中野徳子さんとは友人でしたが、私が作曲を依頼したことをきっかけに撮影や演劇ライブでの脚本を書く機会をいただきました。
このグループにはさまざまなアーティストが集まっており、今回はフルートの井上紗織さんが初めて参加しました。初対面ながら、明るく穏やかな性格の方で何度もお会いしているような親しみを感じました。
ファゴットの岡田啓さんにはライブで何度もお会いしており、アイリッシュハープの堀米綾さんとも録音や撮影などでお世話になっています。
徳子さんは相変わらず精力的に活動されていますが、出会った頃よりも作曲や演奏に深みが増していると思います。その深みは言葉ではうまく表現できませんが、彼女が向き合ってきたさまざまな物事がふわりと空気を含んで重なり合い、軽やかな印象をたずさえています。出会って二十年近く経つのですから、人間としての成長が彼女の感性に影響を与えているのかもしれません。
ライブ会場は埼玉県熊谷にあるジャズハウスでした。会場にはカフェが併設されており、食事をしながら演奏を楽しめます。広々とした敷地には植物がたくさん植えられており、花々が初春の日差しに美しく照らされていました。
地域の猫たちがたくさん集まり、ときには屋内に侵入することもあります。オーナーによると常連客の目当ては猫、ライブ、料理の順なのだとか。なかでも「ゴージャス」という名の猫が人気で、人懐っこい性格が魅力です。
地域猫として外で生活しているらしいのですが、首輪の跡が残っているのが寂しいところです。生垣の中やウッドデッキの上など、思うままに移動して日向ぼっこを楽しんでいました。
和やかな雰囲気のなかでリハーサルを終え、いよいよライブ開始です。相変わらず素晴らしい演奏で、優雅ながらもメンバーそれぞれのユーモラスな一面が垣間見られ、楽しいひとときでした。
今回は誰もが知る有名曲が多かったのですが、徳子さんのアレンジと楽器から発する生の音色はこのグループでしか味わえない唯一無二のものでした。しかしながら、心に染み入るのはやはりオリジナル曲です。長年聴いていますが、内に秘める思いは揺るぎなく、それでいて時々で表情が異なります。自分自身の人生を振り返ることもでき、演奏を聴きながらしみじみ回想してしまいました。
ジャンルは異なりますが、Rosco Motion Orchestraは同じクリエイティブの世界で活躍する、尊敬する友人たちでもあります。今後も素晴らしい曲と演奏で、人々を惹きつけてほしいと思います。
