すこし前の話題になりますが、ある選挙の候補者が「女、子ども」や「頭ぽんぽん」といった言葉を発して批判が集まりました。今まで当たり前だと思われていた考え方が他者を傷付けたり、不快な気持ちにさせていることを世間が再認識する出来事でした。女、子どもという表現は論外ですが、私は「頭ぽんぽん」という言葉により関心を持ちました。
私は子どもの頃から頭を撫でられるのが嫌いです。する側はおそらく「よくやった」や「可愛い」といった愛情表現として撫でるのでしょうが、少々馬鹿にされているような気分になります。また、人間にとって大切な部位である頭部を触られること事態が好きではありません。
インターネットで見つけたある調査によると、八割弱の女性は頭ぽんぽんを好意的に受け止めているようです。ただし、相手が心を許せる存在であることが前提であり、誰彼かまわず受け入れる訳ではありません。また、二割強、つまり五人にひとりは好ましく思っていないといえます。
頭ぽんぽんの行為はアニメやドラマでもよく目にしますが、されるのが嫌いな私にとっては違和感しかありません。これらの表現を鵜呑みにして、誰もがしてほしい行為と認識している人も多いのではないかと思っています。
愛情表現の好みは普段接しているだけではわからないため、会話のなかに織り交ぜてさりげなく聞いてみるといいかもしれません。頭ぽんぽん以外も同様で、自分にとっての当たり前が、相手には通用しないという前提を持ち続ける必要があります。要は自分ではなく、相手の気持ち次第なのです。
これを「些細なこと、面倒くさい」と思う人は、そういった愛情表現を控えればいいですし、そもそも積極的に親しい関係を築かないほうがいいでしょう。逆に私は愛情表現に乏しい人間なので、相手がしてほしいと思う行為は積極的にすべきだなと思っています。