焦らず進む

中国から日本に戻ってきて、仕事、小説、人付き合いなどやるべきことが増えています。
今回はそんな慌ただしい時間をいかに過ごすのかという、今の私のお話をしたいと思います。

東京・飯田橋

若い頃の自分は、今よりもっと時間がありませんでした。
仕事は深夜まで及び、会社に泊まることもたくさんありました。日々のストレスは極限に達しましたが、それを忘れるように週末は飲み明かして、自分をすり減らしていました。
成功することが自分の目標で、それに向かって頑張らないと罪になる。
今思えば、そうやって意地を張っていたような気がします。

東京・飯田橋

心に少し余裕を持ち始めたのは、二年前くらいからです。
大きな挫折が訪れて、全てに絶望した時期がありました。
それから友人に相談したり、自分自身でも考えて、ひとつのことに集中しすぎないようにしました。そして、小説を書くという新たな目標も見つけることができました。

但し、今まで続けてきた仕事も諦めたわけではないですし、小説と両立させたいと思っています。人との係わり合いも無視したくないですし、むしろ以前よりもやりたいことが多くあるように思います。
要は、どれもバランスよく取り入れていきたい心持ちなのです。

過去の自分は視界をあえて狭めるようにして、目標に集中するぶん、他をないがしろにしていた気がします。時にはそういうやり方も大事だとは思いますが、失うものも多いですし、バランスを崩し自分をぼろぼろにしてしまいます。

東京・飯田橋

今、東京に戻ってからの私は、一日のリズムを作ることにしています。
朝起きて、早めに会社近くの喫茶店まで行って執筆を行ない、仕事もほどよく時間を取りながら、帰宅して自由な時間を持てるように調整しています。そして次の日に備えて早めに寝て、次の日のリズムを保てるように心がけています。

それぞれは期待する以上に進みませんが、それでも確実に前進します。
ときに焦りを感じることはありますが、何も進んでいないよりはましです。
そのように続けていると、少しずつ小さな余裕が心を満たしていきます。以前のように、見えない不気味な焦りに包まれることはありません。

時間をうまく使っている人、心に余裕がある人は、このようにしているのだとようやく分かってきました。駆け抜けるだけが人生ではないのです。
四十手前で分かるなんて遅すぎるような気がしますが、分かっただけでも良かったなと思います。
日々巡る自然のように、リズムよくおおらかに生きていきたいと思います。

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