去る6月16日、渋谷で rosco motion orchestra のライブがありました。
rosco motion orchestra は私の小説「センチメンタル(短編集)」のテーマ曲を作っていただいたグループで、このライブでもそのうちの1曲「かたち」を演奏しました。
場所は渋谷の南口にある渋谷区文化総合センター大和田。
駅から横断歩道を渡り、坂を上っていくとセルリアンタワーの裏にゆったりと佇んでいます。
会場はそこの6階、伝承ホールというところでした。
rosco motion orchestra は10名構成ですが、最近は小編成での演奏が多かったので全員揃うのは久しぶりだったそうです。設立当初のピアノ、ヴァイオリン、チェロの編成から、ヴィオラ、コントラバス、ホルン、マリンバなどが増えていき、トルンやハープも仲間入りしています。
トルンという名前の楽器に聞き覚えのない方も多いと思いますが、これはベトナムの民族楽器だそうです。オリジナルのナンバーの他に、これらの楽器をフィーチャーした曲も演奏されたので、その楽器の魅力が十二分に伝わりました。メンバーの皆さんは楽団などで活躍するプロの演奏家なので、その技術にはただただ感心するばかりでした。
そして、私の小説のテーマ曲「かたち」も演奏されました。
プログラムにもきちんと記載していただいて、本当に恐縮です。
また作曲をしていただいた中野徳子さんに、壇上で丁寧に紹介していただきました。
ホールで演奏された楽曲は、録音された音色とはまた違う魅力に溢れていました。
とても伸びやかに、境界線や領域というものから解放された“ふくよかさ”を感じました。
かたち – Rosco Motion Orchestra|塩澤源太「センチメンタル(短編集)」
もちろん録音された演奏も素晴らしいので、ぜひ聴いてみてください。
2時間のなかで14曲というスケジュールでしたが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ホールにはたくさんのお客さんが詰めかけて大盛況でした。
可愛らしいトートバッグなどの販売や、和やかな曲の解説、パンダ(の着ぐるみ)が登場する微笑ましいハプニング。そして、演奏を楽しみながらも真剣に演奏するメンバーたち。
お客さんも全体の雰囲気に包み込まれ、笑い、泣き、熱中できる素晴らしいライブでした。
実は徳子さんには「一緒にライブでコラボレーションしよう」と誘われているのですが、あらためて演奏を聴いて、正直尻込みしてしまいました。
自分はこの限られた時間の中で、これだけ人を魅了し、感動させるものができるのだろうかと考えてしまいました。
しかし何事も柔軟に考えて、rosco motion orchestraのような実力ある方々に、もたれかかりながら挑戦してみるのもいいのではないか、とも思いました。
ともあれ、ものを作り、人々を感動させる力をあらためて実感させてもらいました。
徳子さん、rosco motion orchestra の皆さん、そして関係者の皆さん、本当にありがとうございました。
次回のライブも、楽しみにしています。
rosco motion orchestra のウェブサイト
小説「センチメンタル(短編集)」テーマ曲(Youtube)