漱石蒐集

以前にもこのコラムで紹介しましたが、私は夏目漱石が好きです。
今まで小説や随筆を楽しむ程度でしたが、最近はなぜか漱石ゆかりの物が揃い出してきています。
今回は最近手に入れたそれらを紹介したいと思います。

神奈川文学館:夏目漱石の原稿用紙と一筆箋

写真の一筆箋と原稿用紙は、神奈川近代文学館で手に入れたものです。
ここの常設展示では、漱石が執筆をしていた漱石山房の一部が再現されています。
写真の原稿用紙は、彼が当時使っていたもののレプリカです。
小さな原稿用紙は、当時連載していた朝日新聞の版組が1行19字詰だったため、わざわざ拵えたそうです。のちに枠が18文字になると一番下の1文字は空欄にして使っていたそうです。

神奈川文学館:夏目漱石の原稿用紙

目を引く装飾画は、装幀作家の橋口五葉に描いたものです。彼は「吾輩は猫である」の装幀でも有名です。
一筆箋もその画をあしらっており、可愛らしくて趣があります。

吾が盃(わがはい)

こちらは文京区の観光課が製品化した会津塗りの盃、「吾が盃(わがはい)」です。
先日訪れた白山神社のあじさい祭りで購入しました。
売り出した当時はとても人気があり、半年待ちだったそうです。
文京区の人たちや、漱石を慕う人々の思いが込められた素敵な一品だと思います。

「漱石と歩く東京:東京大好きの地理屋さんが書いた文学散歩」北野豊著

こちらの書籍は神楽坂を歩いているときに見つけました。

「漱石と歩く東京:東京大好きの地理屋さんが書いた文学散歩」北野豊著

著者が夏目漱石ゆかりの場所を細かく解説しています。
当時の路面電車の系統図や、今はなくなっている地名などを独自の研究で洗い出し、掲載しています。地理屋である著者のこだわりが一文、一文にあらわれており、読んでいてとても興味深いです。
漱石愛好家にとってはとても役に立つ書籍なので、ぜひ電子書籍にも挑戦してほしいと思います。

漱石が生きていた頃から百年、いまだに人々に愛され続けています。
彼の人柄もさることながら、やはり作品の普遍的な魅力がその理由なのでしょう。
私も小説を書くものとして、見習いたいと思っています。

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