ITリテラシー

キャリアの浅いメンバーと仕事をしていると、ITの活用方法にギャップを感じることがあります。一般的にデジタルディバイドといえば年長者のほうが分が悪いものですが、社会人になったばかり、または特定の業界からやってきた人は、若くてもITリテラシー(活用する力)が不足している場合があります。

タッチタイピング(キーボードを見ずに入力すること)ができないまったくの初心者もいますが、ほとんどの人は簡単にソフトウェアの操作を習得できます。ただし、情報やデータをどのように管理、加工するか、俯瞰的または概念的な部分で理解していない場合が多い印象です。

表計算ソフトでいうと、基本的には一次元や二次元の表をつくって活用します。また、マスターのデータシートをつくり、そのデータを分析や発表のための別シートに呼び出します。これをマスターの段階からひとつのシートに異なる表を混在させたり、同じデータにも関わらず復数箇所にベタ打ちしてしまう人が多いように思います。

社内Wikiと呼ばれるナレッジベースツールでも同じような現象がみられます。メモのような感覚で文章を入力できますが、見出しや箇条書きなどのタグを用いず、太字やスペースを使ってしまいます。マークダウン(簡単に入力できるマークアップ記法)による文書の構造化ができていれば、ソフト側が理解して目次を自動的につくってくれるのですが、慣れていないとその有用性を実感できません。また、文書(ページ)に付与するメタデータ(データを整理、分類するためのデータ)の活用法や重要性を理解できていないため、紙で文書を作成するのと大差なくなっています。

現在はどんな業界でもインターネットに関わらざるを得ず、AIやビッグデータにも目を向けていかなくてはなりません。私はWebクリエイティブの業界にいるので理解できて当然ですが、データとのうまい付き合い方は必須となってきます。

とはいえ、小さな組織に属していたり、大きなデータを扱うわけでなければ、即座に対応できるベタ打ちのほうが効率的なこともあります。また、彼らが決まって言う「ツールを扱えるよりも実際のビジネスを動かすことが重要」という言葉の意味も理解できます。ただし、前述した概念が理解できていないと、動かせるビジネスの領域がどんどん小さくなってしまうと思います。

実際は難しいことはなにもなく、慣れていけば誰でも理解できるものです。若い人たちはたっぷり時間が残されているので、ゆっくり順応していけばよいのではと思っています。

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