今年も室内で育てているハマユウが開花しました。2021年から毎年咲いているので、今年で四回目です。
植物を種から育ててみるとわかるのですが、芽が出てからしばらくは花をつけませんが、一度咲くと次の年も咲いてくれます。きっと人間と同じように、身体が成熟しないと子孫を残す機能が得られないのだと思います。
このハマユウは私が三十歳くらいに神津島の民宿の方にいただいたものなので、二十年近く花を咲かせませんでした。本来ならもっと早く咲くのですが、小さな鉢で育てたので遅咲きだったのでしょう。
今年は例年に比べて花が少ないのですが、繊細な容姿は健在です。静かに咲いて、ゆっくりと朽ちていきます。
このハマユウを見ていると「大器晩成」という言葉が思い浮かびます。しかしながら、それは誰かの注目を集めるものではありません。きっと人類の大半も同じように成熟し、静かに人生を終えるのでしょう。私も若い頃は大勢の注目を集めたいと思っていましたが、現在ではむしろハマユウのような佇まいのほうがしっくりきます。私の器がいつごろ満杯になるのかわかりませんが、そのときもこのハマユウを育てていたいと思っています。