何日か前の日曜日、野鳥観察をしていたときにシジュウカラの雛の巣立ちを見ることができました。鳥の巣立ちを見るのは初めてだったので、とても感動しました。
いつものように、野鳥を探して公園をうろうろしているときでした。午前から午後になる時間帯で、いつの間にか辺りは人が多くなっていました。野鳥は人気(ひとけ)がある場所を避けるので、なるべく人の立ち入らない付近で耳と目をこらしていました。
すると、林の中から聞き慣れない鳴き声が聞こえてきました。どうやら塀の向こうに鳥がいるようです。ぐるりと回ってじっくり観察していると、モズが留まっていました。でも、様子が少しおかしいようです。
近くには雌もいました。どうやら彼らはとても緊張しているようです。するどい声をあげて何か威嚇しているようでした。
そしてすぐ近くには、シジュウカラもいました。こちらも声を発して威嚇しています。きっと巣の縄張り争いをしているようです。どちらかが一方の場所を侵したのでしょう。
もう少し様子を観察してみると、モズよりもシジュウカラのほうが強気に出ているようです。モズたちはシジュウカラの威嚇に少しだけ圧されているようでした。
そしてシジュウカラは、モズを警戒しながらもコンクリートの壁に近づいていきます。そこには小さな穴があり、シジュウカラはその中に入っていきました。
また、近くから虫や木の実を持ってきて、盛んに穴へと運んでいます。どうやらここにシジュウカラの雛がいるようです。
そして何度も餌を運んできては、思わせぶりに飛び立っていきます。
親鳥が去っていった後、しばらくすると雛が顔を出しました。
餌が待ちきれない様子で、辺りを見渡すシジュウカラの雛。顔は幼いですが、じゅうぶんに成長しているようです。しかしその刹那、雛は巣から外へ飛び立っていきました。
私の間近の枝に留まる雛。親鳥と比べると黄色い色に覆われ、産毛もまだ抜けていない所があります。
そしてさらにコンクリートの穴からは、別の雛が顔を出します。不安そうな表情ですが、彼もまた外に飛び出していきました。
巣のあるコンクリートの上に留り、物珍しそうに辺りを見渡しています。この後も親鳥が雛たちを促して、モズたちからきちんと身を守っていました。
初めて見る野鳥の雛の巣立ちはとても感動的なものでした。親鳥や雛、そしてモズたちも小さな身体で精一杯生きていることがいじらしくもあり、たくましくも感じます。人の目に触れることのない場所でも生命のドラマがあることに、とても勇気づけられる気がしました。これから厳しい生存競争が待ち受けているでしょうが、どうか元気に育ってほしいものです。