先週はシジュウカラの巣立ちに立ち会うことができましたが、今週は道行く先でさまざまな幼鳥たちに出会うことができました。
まずはエナガの幼鳥です。エナガは集団で行動し、瞬く間に場所を移動することで有名です。たまたまそのタイミングに目撃することができ、撮影することができました。しかし、後になってよく調べると、通常のエナガと顔の模様が異なります。エナガの顔の黒い部分は目の下辺りまでですが、この鳥たちは顔全体を覆うように黒い部分がかかっています。
これは幼鳥の場合に見られる模様のようで、私は幼き集団に遭遇できたというわけです。
続いてはコゲラの幼鳥です。成鳥のコゲラはもっとキツツキのような身体つきですが、こちらはどこかもっさりとしています。羽もはえ揃っていないので、恐らく幼鳥なのだと思います。
成鳥はこのように完璧な美しさを備えています。木を一所懸命つついて虫を穫っていました。最初は別の鳥の幼鳥かと思いましたが、恐らくコゲラで間違いないと思います。
それにしても、木の枝の間にちんまりと佇む姿は、なんとも可愛いものです。子どもというのは、どんな生物でもどこかほっとけない魅力がありますね。
さて次は、ツバメの幼鳥です。人が行き交う駅の中に巣がありました。彼らはまだ巣立ちができていなく、親鳥の運ぶ餌を一所懸命にせがんでいます。
しかしながら、他の巣を見ると、もっと幼いものもいました。孵る時期が異なるので、発育もそれぞれなのでしょう。
彼らが成長して親鳥のように精悍な姿形(すがたかたち)になるというのも、なんだか不思議な気がします。燕尾服とはよく言ったもので、親鳥のツバメは本当に美しく優雅です。
いちばん身近なところでいえば、スズメの幼鳥も見ることができます。上の写真は分かりにくいかもしれませんが、スズメは電柱の箱の中に巣を作ることが多いです。姿は見えなくても、やかましい鳴き声が聞こえれば、かならずそこに幼鳥たちはいます。
五月は新緑が濃くなって、夏の花々に入れ替わる時期です。今までは植物にばかり気をとられていましたが、よく観察すると野鳥にも変化が見られます。野鳥の子育てを見ると、季節というのは本当に生き物にとってかけがえのないものなのだと教えられます。人間の日常も日々の繰り返しとばかり思ってしまいがちですが、そう考えるのはとても勿体ないもののように思えてきます。