ウェブサイトに求めること

ウェブサイトの解析をしていると、訪問ユーザが何に興味を持っているかが分かります。当たり前のことではありますが、ほとんどの人たちは、調べ物があってサイトへやってくるのです。

東京都港区麻布台

私は有名な人間ではないので、私を知りたいと思ってこのサイトに訪問する人はごくまれです。訪問のきっかけとなった検索キーワードを見ていると、皆がどんな情報を求めているのかが分かります。
例えば、夏目漱石の初版本について知りたい方がいたり、新潮文庫の「一行手帳」について知りたい方がいたりします。また、目白や雑司が谷界隈に興味がある方もいれば、野鳥の生態について知りたい方もいます。大概はこのように、調べ物をしている際に検索サイトに表示され、たまたま私のウェブサイトに訪れたのだと思います。私も同じようにインターネットを利用するので、この結果には納得しています。

ですから、多くの人々に訪れてほしいと思ったら、皆の興味を引くような情報を掲載することになります。製品のレビューや流行りのレシピ、ニュースや有名人の話、チュートリアルやライフハックなど、トピックは無限に存在します。私の場合は電子書籍を発行しているので、AmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)の出版方法など、技術的な情報を掲載すると閲覧数を増やすことが期待できます。

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従って、もっと個人的で、平凡な心の動きを表現したウェブサイトを見つけることが難しいと感じるときがあります。確かに文章のうまい下手があり、有益な情報もなく、多くの人が共感できないものがほとんどなので、そのようなサイトは人々に求められることはありません。ですから検索結果の上位に表示されませんし、注目もされないままです。
一方でソーシャルメディアは人々の生活を垣間見ることができますが、大概が断片的で、本音を隠し、心の動きは感じられにくいものとなっています。

私は見ず知らずの人のブログを覗いて、どのような人生を送り、どのようなことを感じているのか知るのが好きです。それはまるで町を散策している最中に誰かと言葉を交わして、その人の人生を垣間見る雰囲気に似ています。深く交わることのない人と一瞬でも心を通い合わせる、そんな一期一会を嬉しく思うのです。

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もしも私のウェブサイトを偶然訪れて、私の文章を読んでそのような雰囲気を味わっていただけたら嬉しく思います。さらに小説を読んでいただく機会に繋がれば、なお嬉しいと思います。それは訪問数や購入数といった数の欲求ではなく、心を通わす喜びを得たいと思うからです。しかしながら、私は誰かを幸せな気持ちにさせたいというわけではなく、ただ単にそのような偶然を楽しみたいという好奇心が勝っています。恩着せがましいものではなく、もっと自然に見知らぬ人々と交流することができたらと思っています。

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