秋の振り返り

夏もいよいよ隅のほうへと追いやられ、秋の存在感が増してきたように思います。どことなく寂しい雰囲気と、実りの期待を感じさせる複雑な時期です。

ヒガンバナ

秋の最盛期は、およそ十月始めから十二月初旬までといえるでしょうか。とはいえ、九月のこの時期でも秋の雰囲気が見え隠れしています。米国に出張する前は、まだ蝉が鳴いていた気がします。戻ってきたら聞こえなくなっていて、少しだけタイムスリップしたような気分です。日差しも木々の色づきも少しだけ優しく、旺盛だった雲も高いところへと追いやられ、若者が成年へと移り変わるような、寂しさと喜びが入り混じるような、どこか切ない気分になります。

うろこ雲

通常、一年を振り返るのは年越しですが、私は秋がこれまでの行ないを見つめるのに最もふさわしい季節と感じています。なぜなら、残り何ヶ月かで改善する余地がありますし、夏や冬の季節の空気を内包しており、春のような過ごしやすさもあり、すべての季節が同居しているように思うからです。そんなすべての季節を内包した時期に一年を省みるのは容易いことです。
もちろん、春も同じような雰囲気を持っていますが、どちらかといえば省みるより、新しいスタートを切る季節です。秋は情熱的な夏を過ぎて感傷的になりつつも、冷静に戻って厳しい冬に備える季節です。

猫

そして今、自分の一年はどうだったかと振り返っているのですが、大変なこともあったようで、意外に楽に過ごせたような気もします。「楽」というのはやはり、人間関係が良好であったことが一番の理由だと思います。昨年には言葉を交わすことのなかった人と知り合うこともでき、大事にしたいと思う人ともさらに心を通わすことができています。さらには、苦手な人とも関係をこじらすことがありませんでした。

コスモス

もっと挑戦をしたかった、休みが欲しかったなどと思うこともたくさんありますが、今は人間関係が悪くなかったということだけで満足なのかもしれません。これから年末に向けても、その人間関係を崩さず、逆に崩れたとしても戸惑いうろたえることがないようにしていければ年越しを気持ち良く過ごせると思います。

東京都新宿区高田馬場

これから日も短くなり、秋はさらに深まっていきますので、もう少しじっくり自分を見つめてみようと思います。

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