猫は気ままにしているようで、実は色々と考えています。とりわけ野良猫は一日を生き抜くために知恵を凝らして頑張っています。
秋から冬に生まれる子猫は、暖かい季節に生まれる猫に比べて命を落とす確率がとても高いように思います。風邪をこじらせ目やにが溜まって失明したり、蓄膿症や感染症で突然死んでしまったりします。しかしながら、命が尽きようとしていながらも、手足を動かし声をあげて一所懸命に生きようと努力しています。
成長した猫でも寒さで凍え死んでしまったり、子猫と同じように病気にかかることもあります。さらに寒さや病気だけでなく、人間が悪さをすることだってあります。野良猫は、あらゆる危機に対して警戒しなくてはなりません。
そのような危険な状況にもかかわらず、人に擦り寄り甘えてくる猫もいます。餌をもらいたいからだけでなく、撫でられるためにわざわざ向こうからやってくるのです。人に甘える猫は、猫に対しても甘えるのかといつも私は疑問に思いますが、観察したところ、他の猫と行動は変わりありません。猫の思考は、不思議に満ち溢れています。
以前、あらかわ遊園に行ったときにも甘えてくる猫に出会いました。遊園地近くの公園でベンチに座る私の膝に無言で乗っかってきて、喉を鳴らしながらじっとしていました。
猫好きにとってはなんとも嬉しい瞬間でありますが、同時に人にいじめられるんじゃないかとハラハラしてしまいます。そして彼らはいつだって、のんびりとした様子で優雅に振舞います。「悩み事なんてたくさんあるけれど、考えたってなくなるものではないし」と言われているようで、なんだか自分ものんびりとしてきます。
これから、さらに寒い季節がやってきます。そして、人間の世界でも生き抜くために様々な困難がいくつも待ち受けています。くじけそうになったときには散歩に出て、野良猫を観察しながら彼らのようにたくましく過ごせるように勇気をもらいたいなと思います。
