上野動物園で野鳥観察

人は興味の対象が変わると、行き慣れた場所でも新たな発見があるものです。先日久しぶりに訪れた上野動物園では、いつもと異なるルートで生き物たちを観察しました。

東京都台東区上野動物園:ヤマガラ

今年になって私は野鳥観察の面白さを知り、一年を通して公園や山野で羽ばたく鳥たちを追いかけていました。そして、ある野鳥雑誌で動物園の記事を読み、上野動物園にも身近な野鳥がたくさんいることを知りました。

あらかわ遊園と同じように、上野動物園は私にとって何度も足を運んだ場所でした。大人になってからも一年に一回は必ず訪れています。しかしながら、興味の対象はトラやキリンなどの哺乳類だったのと、昔の思い出と照らし合わせて園内の風景を楽しんでいただけでした。ですから、野鳥の展示にはそれほど意識を向けていませんでした。

東京都台東区上野動物園:メジロ、ウグイス

正門を入って右手のジャイアントパンダに向かうのは、上野動物園では定番のコースといえます。しかしながら、野鳥が好きならば、右ではなく左に進むのをお勧めします。そこには「日本の野鳥I」という展示室があり、小さな建物の入り口にはメジロ、ウグイス、スズメが飼育されています。メジロは街を注意深く観察していれば、比較的頻繁に見かける鳥ではありますが、これほど近づくことができるのは動物園ならではです。また、彼らのか細い声をはっきり聞くことができます。さらに声が響くわりには姿を見せないウグイスだって拝むことができます。

東京都台東区上野動物園

建物内にはアカショウビンやオオルリなどもいますが、一番奥のシジュウカラをはじめとしたカラ系の集めた場所が一番の見所です。シジュウカラやカワラヒワ、コガラ、ヤマガラなど小さな野鳥たちが所狭しと飛び交っています。屋外ですと空を背景にすることが多いので、逆光になってシルエットしか拝めない鳥たちが、柄まではっきりと見ることができます。野鳥観察に慣れている人々は、動物園で野鳥を見ることに少し抵抗があるようですが、彼らの愛らしい姿を隅々まで観察できるのは嬉しいものです。特に野鳥観察の難しさを知っていればこそ、より楽しめるのではないでしょうか。

東京都台東区上野動物園:ヒヨドリ

さらに園内を進むと「日本の野鳥II」という場所があります。ここではモズやカケス、オナガやヒヨドリが飼育されています。秋の公園ではヒヨドリの鳴き声がそこかしこで聞こえ、頻繁に観察できますが、わざわざ動物園で彼らの姿を見ることができるのは贅沢というものです。

東京都台東区上野動物園:カワセミ

「バードハウス」では国内外含めた様々な野鳥が飼育されていますが、やはりここの目玉はカワセミです。彼らの首振りや魚を捕らえる様子も間近で見ることができ、とても幸せな気分になります。

野鳥観察の醍醐味は、あちこち歩いてポイントを探したり、じっと同じ場所で待ち構えて静かに観察することにありますが、動物園で間近でじっくり野鳥を観察することも、様々な角度から野鳥を知ることができるのでお勧めです。

上野動物園
東京都台東区上野公園9-83

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