秋の気配と夏の終わり

今年は例年以上に頻繁に台風がやってきます。被害に遭われている方も、そうでない方も、今後も十分に警戒していただきたいものです。

團十郎朝顔

八月末に訪れた台風10号、通称「LION ROCK」。超大型で通常と異なる動きを見せ、様々な被害をもたらしましたが、私の住む東京地方では大きな影響はありませんでした。過ぎ去った後は湿気を全て巻き取ってカラッとした天気となり、逆に快適に過ごすことができました。この湿気の取れた天気は秋を思い起こさせ、いよいよ季節は曲がり角を迎えているのだなと感じます。

東京都江戸川区北葛西:金魚

セミの鳴き声も弱まり、足元を見ると死骸が転がっています。そのかわりに夜は虫の鳴き声が次第に大きくなってきています。ここのところ仕事で余裕がなかっため空を見上げる機会を逸していましたが、星座も移り変わっていることでしょう。若かりし頃に伊豆七島に向かう夏の夜のフェリーの甲板で見た、季節外れのオリオン座を思い出します。

西洋シノブ

おなじみの二十四節気では、処暑が終わって白露の始まりです。東京ではまだ朝露を見ることができないかもしれませんが、季節はゆっくり訪れる角度を深くして、気がつく頃には移り変わっています。こうなると巡ってくる季節が楽しみに思えてきますが、去り行く季節を名残惜しむ気持ちも強くなってきます。

東京都足立区足立 荒川千住新橋緑地:サワガニ

今年の夏はどこかへ行く機会があまりありませんでしたが、季節を感じさせる小さな季節の欠片をたくさん見つけることができました。目立った大きなことはしなくても、遠く彼方へ赴くことはなくても、季節は私たちの周りに存在し、大きく包み込んでくれています。

東京都江戸川区北葛西 江戸川区自然動物園:フンボルトペンギン

緑を濃くしながらも繊細な脈を這わす葉の生命感、夕立の後の蒸し暑い湿気、グラスの外側を伝う水滴の汗、そんな些細な事柄にも季節は宿っています。

夏も残り少なくなりましたが、皆さんの過ごすときが良き思い出になることを心から願っています。

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