今年の東京の開花宣言は昨年と同じ日でしたが、少し寒い日が続いたせいか、満開を迎えるまで少々掛かったように思います。
月曜日から金曜日まで働いていると、花見をする機会は週末に絞られます。桜の咲くタイミングもありますが、天気の良し悪しによって機会を逃すこともあります。今年は雨が週末に重なって、花見が中止になった方も多いのではないでしょうか。
私は土曜日に雑司が谷にある法明寺に行って桜を見てきてました。こちらの参道では露店が並び、テーブルと椅子が用意されていました。馴染みのたこ焼き屋でたこ焼きを買い、おでん屋でおでんを四つほど選んで、ビールを片手に満開の桜を楽しみました。
あいにく天気は霧雨が混じる曇り空でしたが、テーブルでくつろいでいるときは雨は止んでいました。地元の人々や、池袋から流れてくる人々は思い思いに桜の写真を撮ったり、お酒を飲んで宴会を行なうなど楽しんでいました。
翌日曜日は、文京さくらまつりが行なわれている茗荷谷の播磨坂に出向きました。この日は一日中雨模様でシートを敷いて宴会する人はほとんどいませんでしたが、一年に一度の機会を逃すまいとする人々が歩きながら桜見物をしていました。
うららかな陽気に包まれながら見る桜は最高ですが、雨に濡れる桜もなかなか風情があるものです。風になびいてはらはらと舞い散る様や、雨雫に濡れ鈍く光る路上に落ちる様を見ていると少し切ない気持ちになってきます。
播磨坂を下ったところで、桜を背景に、おそらくは奥様の遺影の写真を撮る老齢の男性を目にしました。桜に対する思いは、人それぞれなのだなと思った瞬間でした。
