春の細やかな世界

最近は暖かいを通り越して暑いと思えるくらいに温度が上がっています。着るものをきちんと選ばないと風邪をひきそうですね。

東京都足立区・北区 荒川土手:マツバウンラン

ある見知らぬ人の会話で「暑い、寒いばかりで日本は四季がなくなってしまったな」という言葉を耳にしました。確かにそのような傾向があるように思いますが、私自身はそのようには思いません。通勤や仕事の際の気候の印象だけでなく、もう少し仔細に辺りを見回すと、自然は細やかに四季を刻んでいると気づきます。

東京都北区豊島五丁目団地:トーホースタンドのご馳走

先日も私は荒川に赴き、少々のお酒と食べ物を楽しみながらゆったりと自然の移り変わりを感じました。
土手にゆっくり腰を掛け、馴染んできたら寝転んで、普段よりも低い視線で世界を眺めました。通勤時での私の身長で見る世界や、仕事のときに見つめているパソコンのモニターとは異なって、もっと小さく細やかな世界が広がります。

東京都足立区・北区 荒川土手:テントウムシの幼虫

様々な種類の雑草が生え、そこに数ミリの花が色とりどりに咲いています。アブラムシがすでにうごめいていて、それを捕まえようとテントウムシの幼虫が後を追っていきます。寝転んでいると180センチの身長から見上げるよりも大きな青空が広がって、世界や宇宙は想像するよりも大きなものだと実感させられます。

東京都足立区・北区 荒川土手:ハコベ

また、私の生活とは異なる背景を持つ人々が、思い思いに荒川土手の自然を満喫している姿を見ていると、自分の見ていた世界がなんて小さなものだったのだろうと実感させられます。そして、草花を見ることで四季の移り変わりが世界を目まぐるしく変化させているのだと感じることができます。

東京都足立区・北区 荒川土手:タチイヌノフグリ

仕事や生活に明け暮れていると、数週間があっという間に過ぎてしまいます。しかしながら、土手に頻繁に訪れると、草花は異なる種類が日々変化し、テントウムシは成虫となって私たちを歓迎してくれます。ただ暑い、寒いという感覚だけで過ごしてしまうと、このような細やかな移り変わりを感じることはできません。人によって価値観はそれぞれですが、そのような生活を繰り返していると、私はもったいないような気がしてしまいます。

東京都足立区・北区 荒川土手:コメツブツメクサ

人の感覚は麻痺しやすく、より刺激的なものを求めてしまう性質があるように思います。その結果、見過ごしてしまうものも多くあることが残念に思うので、より感覚を研ぎ澄ませ、些細なことでも感動を得られるようにしていきたいと思っています。

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