緩やかな人生、激しい人生

二十四節気はついに最後の節気となる大寒(だいかん)を迎えました。春節が待ち遠しい限りですが、気温的には最も寒い時期になるのでまだまだ気を抜けないですね。

東京都新宿区早稲田鶴巻町:ドラード和世陀

季節を司る自然の理(ことわり)は、時に緩やかだったり、激しかったりするものです。長い年月をかけて形成される鍾乳洞のようなものもあれば、小笠原諸島の西之島のように噴火によってあっという間に地形が変化するものもあります。

そして、人の一生も緩急があるように思います。一個人においても緩やかな時期と激しい時期がありますし、他の人に比べて激動の人生を送る人もいます。とりわけ、有名人の方々は激しい人生を送っているように感じますが、それはその人が有名だから激しい人生になるのか、激しい人生だから有名になったのかは分かりません。

東京都新宿区早稲田鶴巻町:ドラード和世陀

人も羨むような絶好調の時期があったかと思えば、次の瞬間には不運に見舞われる。その逆の展開であればいいのでしょうが、私の勤めている会社の上司は、そんな激動の人生のほうがワクワクして楽しいと言います。彼はもし一文無しになったとしても、挑戦をしないで後悔するよりは良いと思っているようです。

私はもう少し穏やかな人生のほうがいいなと思いますが、彼のような考えを理解できなくもありません。緩慢で変化に乏しい時間を過ごすよりは、何が起きるか分からないジェットコースターのような時間を過ごすほうが好奇心を満たせるというものです。ある私の知人によれば、私の趣向もどちらかというと激動の人生のほうが向いているそうです。私自身は年を重ねる過程で穏やかな人生のほうを求めつつあるのですが、果たしてどうなのでしょうか。

東京都新宿区早稲田鶴巻町:ドラード和世陀

私は今はただ緩やかな時間の中で、目をこらすと見えるような小さな自然の動きや、何気ない生活の中で垣間見える人々のドラマを観察しているほうが楽しく思います。それらだけでも十分めまぐるしく、見ていて飽きません。また、それらを小説やコラムに書き留めていくことを楽しく感じています。

まだまだ人生も半分残っているので、この先どのようなことが待ち構えているか分かりません。穏やかでも激しくても、目の前に起きる出来事を受け止められる強さだけは持っていたいなと思います。

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