節分の豆撒き

立春を待ち焦がれていたものの、仕事にかまけているうちにあっという間にやってきてしまいました。これから雨水、啓蟄、春分と、春らしい暖かみのある節気になります。

東京都港区赤坂六丁目:赤坂氷川神社の節分行事

立春を告げる行事といえば節分ですね。今年は土曜日だったこともあり、各地の神社仏閣では多くの人たちが節分の行事に参加していました。私は春が訪れた気持ちになる立春を楽しみにしていましたが、節分行事に対してはそれほど思い入れがありませんでした。節分当日もいつも通りに東京の街をぶらぶらと歩いていました。

東京都港区赤坂六丁目:赤坂氷川神社の節分行事

何となく四谷や麹町、赤坂辺りを散策しようと丸ノ内線の赤坂見附駅を降りて、青森の物産店などを覗きながら赤坂氷川神社に向かいました。こちらの神社は赤坂や六本木の氏神で、東京十社にも数えられています。高台に位置しており、大きな杜(もり)に囲まれており、都会の真ん中だとは思えないほど静かな場所です。摂社や末社に稲荷社も数多く鎮座しているので、稲荷マニアの私は随分と前からこちらに訪れていました。

いつもは人影もまばらな場所ではありますが、この日は節分行事が行われるため地元の人々で賑わっていました。訪れた夕方がちょうど豆撒きの時分だったので、私も本社の前で一緒にお祓いを受けることにしました。祝詞をあげて、様々な儀式がひと通り行われると、豆撒きが行われました。

東京都港区赤坂六丁目:赤坂氷川神社の節分行事

境内には老若男女が入り乱れており、中には外国人の姿も見られました。赤坂氷川神社の隣はアメリカ大使館の宿舎があるので、そちらからやってきたのでしょう。子どもたちが豆やお菓子を貰おうと待ち構えていましたが、どちらかというと大人の方がむきになっていて面白かったです。

季節の節目に無病息災を願う豆撒きは、千年以上続く伝統行事です。目新しいものばかりに気が移ろいがちな世の中ではありますが、自分たちに由来のある地元の場所に集まって、きちんと伝統に従いながらも楽しもうとする人々を見ていると何だか嬉しくなってきます。地に足をついた芯となるものが人間には必要だなと常日頃思っているのですが、それを目の当たりにしたような日でありました。

東京都港区赤坂六丁目:赤坂氷川神社の節分行事

今後の千年も、今年と同じように豆撒きは行われるのでしょうか。それとも恵方巻きに取って代わられたりするのでしょうか。何にせよ、地元を愛し、自然や万物に対して尊敬や感謝の念を持つことだけは続いてほしいなと思います。

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