言葉での表現

こうやって毎月六回ほどコラムを書いていますが、自分の心情をありのままに表現できていないことがもどかしく感じることがあります。言葉にするというのは難しいものですね。

東京都豊島区池袋:猫

人間の最も優れた能力のひとつとして、言語表現が挙げられます。「どこに何があった」などの情報が的確に表現できるこの能力は、人間社会の発展に大いに貢献したことは容易に想像できます。

また、自分自身が思っていることや感じていることを伝えることもできます。「楽しい、悲しい」などの心情の状態だけでなく、「とても、少し」などの度合いから、「うきうき、胸が張り裂けるような」などの擬声語や比喩を用いて相手が想像しやすいように表現することもできます。

言語表現は有史以来、多種多様に発展し、とても豊かなものになりました。しかしながら、その表現手法を学ばないことにはうまく使いこなすことはできません。言葉自体を学ぶ必要もありますが、なによりもその対象、ここではかたちのない自分自身の心情をつぶさに観察し、どのような表現が適切なのかを見極める力が必要になります。

私はコラムを書き続けていますが、まだまだこの観察力と表現力が身についていないなと痛感しています。

東京都豊島区池袋:猫

家にいる猫を見ていると、言葉は使いませんが彼らの感情はよく伝わってきます。猫は振る舞いと多少の表情だけで感情を表現しますが、好きや嫌い、好奇心や退屈な気持ちをうまく表しています。彼らを見ていると、何千の言葉を紡いで心情を表現している自分がばかばかしく思えてくるほどです。

とはいえ、人間同士のコミュニケーションに猫の表現を用いたら大変なことになります。言葉を使いながらも、それを感じさせないような表現ができるように努力することが必要なのかもしれません。

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