いつもと同じ風景

このところ暑いくらいの陽気でしたが、寒の戻りもあって肌寒い日もあります。この不安定さも春の特徴なのだなと思います。

東京都豊島区雑司が谷

休日はいつものように、なるべくのんびりと過ごせるように心がけています。
いつも歩く道の風景を眺めながら、いつもと同じ風景がちゃんとそこにあるか確認しています。そしてその風景がきちんと同じように存在していると、とても安心します。

東京都豊島区雑司が谷

はじめて歩く街でも同じように、いつもと同じ風景があるか確認します。もちろん初めて見る風景なのですが、そこに暮らす人々が見ているいつもの風景というものがあります。雨風などの過酷な状況に置かれながらも、その風景はじっとその場で変わらず人々を優しく包み込んでくれます。

そしていつものように、草木に目を向けます。かがんでみたり、遠くから眺めてみたり、手にとって触れてみたり。移り変わる草木の種類を観察して、今がどの季節なのかを実感を伴いながら理解していきます。

東京都豊島区雑司が谷 雑司ヶ谷霊園:シャガ

気がつけばシャガが咲いています。アヤメ科に属するので五月くらいに咲きそうなものですが、早いものでは桜の季節の少し前から花を咲かせます。目立ちやすい風貌で街のいたるところに咲いているにもかかわらず、その存在に気がつかない人が多い植物です。

東京都豊島区雑司が谷 雑司ヶ谷霊園:ヘビイチゴ

ヘビイチゴも気がついたときには実を付けています。いつも通る道にヘビイチゴが生える場所があるのですが、新芽が出てきたなと思ったときにはすでに花と実ができています。このときになって初めて暦が進んでいるのだなと理解します。仕事をしていると一週間単位で季節が進んでいくので、時間の早さとともに自分の余裕のなさも実感することができます。

東京都豊島区雑司が谷 雑司ヶ谷霊園:ハルジオン

ハルジオンは白くて可愛らしい花を咲かせています。秋はヒメジョオンが咲きますが、おそらく見比べたときにどっちがどっちなのかわからないのだろうと思います。日本の風景によく合いますが、実は北アメリカの原産だそうです。この花を見ると、春真っ盛りなのだなと感じます。

東京都豊島区南池袋:猫

こうやっていつものように草木に目を向けた後、今度は空を仰いで雲や空の高さ、色の深さを観察します。また、住宅から聞こえてくるテレビの音や人の話し声、野良猫の仕草、西日の傾きなどをぼうっとしながらも全身の毛穴から感じるようにします。そうしていると、なぜか生きている喜びがじんわりと伝わってきます。

東京都豊島区雑司が谷

こういうなんでもないことが、本当に愛おしく思います。連休に爆睡したり、家にこもって趣味に没頭したり、仕事や勉強に打ち込んだりするのも有意義ですが、たまには自宅周辺の風景に目をやれば、良い息抜きになることでしょう。

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