夏の空

もうすっかり夏ですね。三十五度を超える暑さが続きますが、皆さんは体調を崩していないでしょうか。

東京都江東区北砂:フヨウ

子どもの頃はこんなに暑くなかったと記憶しています。三十度を超える年はあっても、今のような暑さではなかったように思います。
歩いているだけで命の危険にさらされるのは異常ですが、思う存分汗をかけるというのは気持ちのよいものです。

東京都江東区北砂:夏の空

気持ちがよいといえば、夏の空も見ていて気持ちがよいものです。
雲ひとつない澄み切った青い空、遠くに目をやると大きな入道雲。とてもおおらかな気持ちになりますし、見ていると世界の広さを感じ、旅をしている気持ちになります。

東京都江東区北砂:飛行機雲

飛行機に乗っていると窓からの景色を眺めていることが多いのですが、どちらかというと神様の視点のように感じます。地上から見た空は自分がちっぽけな存在であることを感じられるのが好きです。なぜ快く感じるのかわかりませんが、本当になぜなのでしょう。もっと突き詰めて考えて、小説の一文にしたいといつも思っています。

東京都豊島区雑司が谷:夏の空

また、台風など大気の状態が不安定のときの空も好きです。空が大きなキャンバスのようになって、絵の具を混ぜたときのように複雑な模様を描きます。
とても美しくて、見ているとじーんとしてしまいます。「風の谷のナウシカ」の漫画版第五巻で、絶望の淵に立たされたナウシカが目の前に広がる景色を見て「こんなに世界は美しいのに、こんなに世界は輝いているのに」とつぶやくシーンがありますが、空を見ていると自分も同じような気持ちになってきます。

東京都豊島区雑司が谷:夕暮れ

もちろん、うろこ雲が頭上の遥か彼方に浮かぶ冬の空や、ほがらかでありながら危うい雰囲気の漂う春の空、夏と冬がせめぎ合う秋の空も好きです。どれも個性的で、いつも魅了されています。こんなに魅力的な空なのに、写真を撮ってもあまり評価されないのですよね。誰でも簡単に撮れるものですし、評価されるとしたら表現や情緒の面ではなく、気象記録としてのモチーフではあります。

それでも、私はつい空の写真を撮ってしまいます。似ているようでも、なにひとつ同じものはないですし、その空を見た当時の自分の気持ちが反映されます。。また、空を見上げていれば、うつむくこともないと思いますので、気持ちもきっと明るくなれることでしょう。

東京都豊島区雑司が谷:夕暮れ

あと二ヶ月は夏の空を見上げることができるでしょう。美しい空を思う存分眺めたいですが、熱中症だけは気をつけたいですね。

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