暦はすでに雨水（うすい）を迎えました。立春から少し経ち、一年が始まっているのだなとしみじみと感じます。
最近の私は少しばたばたとしています。昨年十一月から始めた仕事は本格化し、現在はほぼ週一で福岡へ出張しています。日帰りも多く、朝の四時半に起きて飛行機に乗り、午後いっぱいお客さんと打ち合わせをして再び飛行機に乗って、深夜一時頃に帰宅することもあります。ちなみに、週明けの火曜日も一泊で福岡出張です。また、未経験の職種なので業務すべてにおいて四苦八苦しています。幸いにも上司が手厚く支えてくれているので、なんとか乗り切れている状態です。
そして、プライベートでも新しい経験が多く、緊張したり悩んだりしています。例えば、テレビにほんの少し出演してインタビューに答えたり、有名な経済関連のウェブメディアの取材を受けたりしています。昨日はその取材記事の確認依頼がきて、深夜から朝まで内容の事実確認をして寝不足になりました。
自分を磨くには申し分ない状況ではあるのですが、自分自身よりも関わっていただいている人々のひたむきな姿勢に驚きを隠せません。もちろん私も未経験のことが多くて一所懸命ですが、彼らは十分なスキルや経験を持っていながらも、手綱を緩めず常に向上心を持って目の前のことに取り組んでいます。
週末に観賞した、贔屓にしているお笑い芸人のライブでも同じようなものを感じました。
そのライブは今までよりも大きな会場で何日も上演し、満員御礼で演目も完璧でした。以前からフォローしていましたが、その芸人はひとつ大きなステップを上がったのだと肌身で感じました。
翻って、私はどうでしょうか。なにに向き合おうとしているのか、それに対して真摯に向き合えているのか、考えると疑問が残ります。現在の状況に踏み出す前に感じたもやもやは、依然として晴れていません。
さて、ベランダに目を向けると開花が早かった長寿梅が、さらに多くの蕾をつけていました。この三年ほど育てた中で最も多い蕾の数です。アオイスミレもすでに新芽が芽吹きはじめ、春に向けて準備を始めています。
私はこのような小さな命の営みを眺めているのが楽しい老人のような性格ですが、今は激しいうねりに身を任せつつ、新たな自身の可能性を見つけていければいいなとほんの少しだけ、ちょっぴりと思っています。
