生きる動機

台風がやってきたと思ったら、そのままUターンして戻っていきそうです。過去に例がない自然現象が続いているのですこし不安になってきますね。

東京都渋谷区本町:猫

私は若いころに「生きるなら五十歳くらいまででいいや」と思っていましたが、その歳まであと数年となりました。健康なあいだに人生を満喫して、後腐れなく終わりたいなと思っていたのですが、正直なところ今でもそのように思うときがあります。

世の中にはまだまだ興味をそそられることはあるのですが、若いときのように心を揺さぶられることはほとんどありません。老後のリタイア生活も楽しみではあるのですが、不自由なことも多そうなので期待と不安は半々です。

死ぬことも痛みや苦しみさえなければ、あまり恐怖を感じることはありません。生きているから恐怖を感じるので、死んでしまえばなにも感じることはないからです。

それでも、唯一生きていたいと思わせる動機は私のまわりにいる人たちです。私が先に死んでしまえば、年老いた親や飼っている猫たちは路頭に迷ってしまうでしょう。ひとりの大人の責任として、それを放棄することはできません。そしてなにより、最愛の人がとても悲しみます。彼女をひとりにはできないですし、私も彼女と共に過ごせる時間が少なくなってしまうのは残念です。その時間は、私が将来唯一の楽しみにしていることでもあります。

人間というのは人との関係があるからこそ生きていこうと思えるのだなと、歳を経るごとにしみじみ感じます。そう感じさせてくれる人たちに囲まれている私は、とても幸せなのだと思います。

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