歳をとると涙もろくなります。この現象は脳機能の低下によって引き起こされるみたいですね。詳しくは、感情の抑制機能を担っている背外側前頭前野と呼ばれる部位なのだそうです。
私も歳を追うごとに本当に涙もろくなっており、ドラマやアニメなどを観ているとすぐに涙が溢れてきます。とくに涙を流している演技を見ると、つられて泣いてしまいます。
日常生活においても「この人は大変だったんだろうな、悩んだのだろうな、悲しんだのだろうな」とすこしだけ感受性のベクトルを向けるとすぐに涙が出てきます。頭のなかにある切り替えスイッチを触らないようにしていますが、悲しい話をしているだけで自然にオンになってしまいます。
人前で泣くのは恥ずかしいことだと思っているのですが、ある物語で「人を想って流す涙は別だ。何があっても泣かないなんて奴を俺は信用しない」とセリフを思い出して自己肯定しています。自分以外の人間のことを真摯に思い、恥ずかしいところを見せてしまうのは悪いことではないのだと思えると、すこし安心します。
衰えるにしたがって感情の制御ができなくなっていきますが、涙ではなく怒りを爆発させてしまうのは残念なことです。私もこれから段々と社会に対してそのような負の感情を抱き、いわゆるクレームおじさんに変容することがあるかもしれません。
今後も単なる「涙もろいおじいさん」でいられるように、うまく感情をコントロールできればと思っています。
