アゲハチョウと寄生蜂

もうすぐ八月が終わりますね。まだまだ暑い日が続きますが、そこはかとなく秋の雰囲気も漂ってきています。

アゲハチョウ:幼虫

今から一ヶ月ほど前になりますが、玄関の扉にアゲハチョウの幼虫がいました。すこしそわそわしているように見えたので、おそらく蛹になる場所を探しているのだと思っていたら、数日後には蛹になっていました。

アゲハチョウ:蛹

羽化までは二週間ほどかかるそうなのでしばらく観察を続けていると、羽アリのような虫が付いてました。慎重に蛹から引き離しましたが、後で調べてみるとアオムシコバチという寄生蜂でした。

アゲハチョウ:蛹とアオムシコバチ

アオムシコバチは蛹に産卵し、成虫になり小孔を開けて出てきます。もちろん、アゲハチョウは羽化しないまま死んでしまう運命です。

アゲハチョウ:幼虫

悪い予感は的中し、アゲハチョウの蛹は茶色く変色したまま羽化することはありませんでした。蛹に寄生する虫はアオムシコバチのほかにもいるようです。アゲハチョウは蛹になると、文字通り手も足も出せない状態になり、なすすべもなく命を落とす運命にあります。とても残酷なことのように思えますが、これもアゲハチョウの数を適切に維持するための自然のシステムなのだと思います。

このことがあってから成虫となったアゲハチョウを見ると「よくぞここまで頑張った」と祝福してあげたい気持ちになりました。そろそろ秋になりますが、また来年も元気な姿を見せてほしいものです。

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