金木犀と銀木犀

二十四節気では白露、七十二候では鶺鴒鳴(せきれいなく)。途端に秋らしくなってきて、肌に触れる風が心地よい日が続きます。

金木犀

それでも、日差しは強いので、植物たちへの水やりは欠かせません。庭でふと目をやると、金木犀が開花していました。金木犀は本当に気がつかないうちに、一気に花を咲かせます。

芳しい香りを漂わせながら咲く美しい花弁を見ていると、種類は異なりますが仏教の聖樹の沙羅双樹を思い出します。沙羅双樹はブッダが入滅した際に傍らで満開となり、すぐに枯れて白色に変わったとされています。儚さとともに永遠を感じさせるお話ですが、なぜか金木犀を見るとその幻想的な光景を想像してしまいます。

銀木犀

庭には銀木犀も植っています。金木犀の変種であり、同じ頃に花を咲かせます。別の季節にも花を咲かせるそうですが、いままで気がついたことはありません。

雨が降れば小さな花弁が地面に落ち、この植物のハイライトは終わりを告げます。とても儚いものですが、だからこそ美しさが際立っているだと思います。人間の生涯を投影できるような植物に囲まれていると、自身の感受性が豊かになるようでとても嬉しく思います。

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