銭湯あれこれ

有名アニメに「風呂は命の洗濯」という台詞がありますが、銭湯はそれを実感する場所だと思います。もちろん温泉も素晴らしいのですが、より日常に溶け込んでいるぶんだけ自身のことを顧みられるような気がします。

東京都足立区足立:曙湯(五反野)

子どもの頃は週末に父がよく連れていってくれました。父の背中の洗う際の力の入れ方や手拭いの絞り方、自身の身体の拭き方まで事細かく教えられ、少々面倒臭く感じたのを覚えています。また、全身に彫り物があるお客さんに湯船に手拭いを入れないように教えてもらったのもいい思い出です。

皆さんの共通の思い出としては風呂上がりのコーヒー牛乳があると思いますが、私は牛乳瓶に入ったりんごジュースのほうが好きでした。また、夏の夕暮れの涼しさを感じながら、炭火の香ばしさが漂う焼き鳥を頬張りながら帰るのが好きでした。

東京都足立区足立:曙湯(五反野)

ひとり暮らしをしてからもよく銭湯に通いました。お風呂付きの部屋でしたが、目と鼻の先に銭湯があり、徒歩何分かでさらに二軒あり、銭湯天国の場所でした。熱めの湯船に浸かって高い天井をぼうっと眺めていると、本当の幸せってどういうものなのか、自分はこれからどう生きていくべきかなどとさまざまな思いが巡ります。

結局お風呂から上がるとどうでもよくなってしまうのですが、そのような機会を与えてくれる銭湯が大好きです。

東京都足立区足立:曙湯(五反野)

現在も気が向いたときに近くの銭湯を検索して楽しんでいますが、年々廃業するお店が多くなっているのは寂しいものです。さっと入るだけなら手拭いと石鹸くらいを常備しておけばいいですし、銭湯で購入してもたいした金額ではないと思います。最近ふたたび銭湯に行く機会が多くなっていますが、いつまでも残り続けてほしいものだと思います。

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