先日、台東区下谷にある「CUBAN SANDWICH & DELI AHINAMA」というお店のキューバンサンドイッチを味わいました。
キューバンサンドイッチはハムとチーズを挟んだサンドイッチで、2014年に公開された「Chef」という映画に取り上げられて日本でも人気になりました。
購入したお店は座席数が少なくお客さんも多かったので、上野公園まで歩いて生ビールと一緒に味わうことにしました。キューバブレッドの表面についたバターの風味がとてもよく、プロドポークの味わいも格別です。
このサンドイッチはキューバという名前はつきながらもフロリダが発祥だといいます。1800年代後半に起こったスペインからの独立戦争によって、キューバ人はフロリダへ逃れて葉巻工場などで働くようになりました。そこでハムとチーズのサンドイッチに出会い、キューバ独自のテイストを加えていったそうです。
葉巻工場がフロリダのタンパに移ってからもキューバンサンドイッチは発展を続け、さらにカストロ政権の確立後に移民が増えたことにより、マイアミだけでなく米国各地に広まったそうです。
このサンドイッチの歴史を振り返ると、スペインやアメリカの帝国主義による搾取、共産主義と資本主義の確執による経済の混乱など、キューバの人々の長い苦境の歴史が読み取れます。
そして現代、革命世代の施政が終結してキューバは新たな局面を迎えています。アメリカからの経済制裁は徐々に緩和される兆しはありますが、新型コロナウイルスの影響も加わって国内経済はかなり深刻な状況です。
キューバンサンドイッチが広まることによって、キューバの人々の歴史や現状に興味を持つきっかけが生まれたら嬉しいなと思います。