居酒屋は東京だけでなく全国にたくさん存在しますが、それぞれに個性があって訪れる楽しみがあります。
大手のチェーン店はどこも同じような品質と雰囲気なのですが、むしろそれが安心感につながります。個人営業の居酒屋は非常に個性的で面白いのですが、とっつきにくさもあります。私はどちらかというと地元の小規模なチェーン店のような業態が好きですが、基本的にはあまりこだわっていません。例外としては、あまりお洒落すぎるところは苦手ではあります。
先日は雑司が谷の個人営業の居酒屋の暖簾をくぐってみましたが、初めての方はなかなか入りづらいお店でした。店内はほぼカウンター席で、お客さんは常連のふたりのみ。私とパートナーが入店したことで、辺りは一瞬緊張に包まれていたような気がしました。
私たちは大きな声を出さず、お店に漂う雰囲気の流れを読み取りながら食事とお酒を楽しみました。このように表現すると窮屈に感じるかもしれませんが、店主も常連さんも丁寧で穏やかで、非常に居心地がよいものでした。
料理も竹輪ときゅうりのお通しのような定番のものから、揚げ物や炒め物まで幅広く、そのどれもが丁寧に調理された美味しいものばかりでした。
その隠れ家的な雰囲気から万人が満足できるお店とは言えませんが、私たちはこちらのお店がとても気に入りました。お店は人そのもので、付き合いやすいお店もあればそうでないお店もあります。しかしながら、じっくり接することで、その素晴らしさは簡単に見つけられるのです。
新型コロナウイルスの新しい波によって、再び外食を控えなくてはならなくなりそうですが、あらためて外で食事する喜びを実感した次第です。
