あと一年で十周年

九月になりました。あっという間に季節が過ぎていきますね。暑さが和らぐ日も多くなりました。

東京都台東区池之端

こちらのコラムを書きはじめたのが2013年の九月、つまり九年が経過し、今年十年目に突入したことになります。そのころの私はまだ三十代の後半で、気がつけば五十代まで手が届きそうな歳になりました。いまだにあの頃と同じような感覚でいる自分がすこし怖くもあります。

この十年で世の中はいろいろと変わりました。2011年の大震災のときは、なにか世の中が悪い方向に進むのではないかという不安を感じたものですが、自分の直感はあながち間違っていなかったのかもしれないと思います。

それは外の世界だけでなく、自身の内側にもいえます。若いころと気持ちは同じつもりでも、すこし消極的になっていたりします。また、体力的な衰えも無視できなくなりました。大きな病気はありませんが、ところどころガタがきはじめてます。健康については三十代までほとんど意識していなかったのですが、現在は人並みに気をつけていかなければと思っています。

東京都台東区池之端

この十年の変化でいうと、十代や二十代といった若い世代の感覚が掴みづらくなってきているように思います。そのような人たちと頻繁に交流することがなくなったのもありますが、世代が離れているという単純な理由が隔たりをつくっているようにも感じます。

流行はもちろん、社会の制度、経済、技術、自然に至るまですべてが私たちの若いころと異なります。いくら近くにいようと彼我の差を意識して理解しようとする姿勢がなければ、なかなか距離を縮めることは難しいでしょう。親子の関係を想像するとよいのかもしれません。まあ、マーケティングでいえばデータや調査などで掴めなくもないのですが、直感では掴みづらくなっています。

このコラムをたまに自分で読み返してみて、ひと昔前がどんな世界で、自身がどんなことを考えていたのかをあらためて読み解くと面白いのではないかなと思っています。

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