過去に仕事で多くの後輩と関わってきましたが、歳をとるごとにその数は増えています。現在も部下と呼べるメンバーがいますが、私がお世話になった先輩と比べて自分がどれだけ影響があるものなのだろうと考えることがあります。
私は社会人になってすぐに管理職に就きましたが、経営者の方々や取引先の担当者、そしてクリエイティブの先輩など、多くの人に支えられてきました。
知識や経験が豊富で、難しい局面でもしっかりと判断を下すその姿は、手の届かない「大人」のように思えたものです。現在、当時の彼らよりもずいぶん歳上となりましたが、まだまだ追いつくことができないと思っています。自分自身もかなり厳しい状況を切り抜けてきたと思っていますが、おそらく一生目標にするのだと思います。
とりわけ印象深いのはクリエイティブの先輩方です。専門的な分野での影響は計り知れませんが、皆さん本当にあたたかい心を持っていました。
先輩というと、つい後輩の見本になるように振る舞うものですが、私が出会った方たちは人懐っこく、弱音を自然に見せていたと思います。
そのように接してもらえたことで、私も先輩の役に立ちたいと思えると同時に、無理をせず相談できました。また、仕事の枠を越えて、人間的な温もりある感情を抱くことができました。
さて、翻って私は先輩としてどのように振る舞えているのでしょうか。時代が変わったので昔と同じというわけにはいかないでしょうが、もうすこしおおらかに後輩に接してもいいように思います。答えは永遠に見つからないものですが、いつまでも先輩たちを目標にしていきたいと思っています。