エル・アルボル(EL ARBOL)四ツ谷

四ツ谷駅を出て、しんみち通りに入って右側に「エル・アルボル(EL ARBOL)」という老舗のメキシコ料理屋さんがあります。何度か足を運んでいましたが、先日訪れた際にお店の方に色々とお話を伺いました。

エル・アルボル(EL ARBOL)四ツ谷

メキシコ関係に詳しい方にはお馴染みというエル・アルボル。私が初めて訪れたとき、とても懐かしい気持ちになったのを覚えています。店内はメキシコの調度品に囲まれており、メキシコビールも様々な種類が揃っており本格的な雰囲気が漂っていますが、どこか家庭的でのんびりとした安心感もあります。

東京都新宿区四谷:エル・アルボル(EL ARBOL)

料理もサボテンなど珍しい食材を使ったものが多いのですが、過度な味付けをせず、まさに「メキシコの家庭料理」といった趣(おもむき)を持っています。日本人はテクス・メクス(Tex-Mex)、いわゆるアメリカのメキシコ料理を本場のメキシコ料理だと思いがちですが、こちらのお店はそのような料理を出しません。ひとつひとつが手作りだと分かる、あたたかみのある味付けなのです。

東京都新宿区四谷:エル・アルボル(EL ARBOL)

写真はサボテンを使ったサラダです。野菜の上に乗っている緑の細長いものがサボテンで、水煮にしたものだそうです。アロエや海藻のようにフニフニとした食感が面白く、訪れた際は必ず注文してしまいます。
私の一押しはモーレというチキン料理です。ソースがなんとカカオバターで、色合いも風味もチョコレートなのです。そのソースは沢山の食材を煮込んだ手間暇かかったもので、とてもふくよかな味わいです。こちらは赤ワインがとてもよく合うので、先日は二本もボトルを空けてしまいました。

そして、ふと料理から目を離すと、お店の中央に見慣れない植物がありました。ピーマンのような、ほおずきのような実をつけていましたが、ハバネロの実なのだそうです。お店のお知り合いが苗から育てたそうで、それを料理に使っているとのことでした。試しにお勧めのハバネロを漬けたテキーラを飲んでみましたが、病み付きになるほどの絶品でした。この頃には私はかなり良い気分になっていたので、お店を切り盛りするお母さんやマスターに色々と質問していました。巷で流行ったハバネロも、実はエル・アルボルのマスターが日本へ持ち込んだものだそうです。

エル・アルボル(EL ARBOL)四ツ谷

それから、お母さんやマスターに様々なお話を伺いました。四十年ほど前からメキシコに乗り込んで苦労したことや、曙橋や四谷で長らくお店を続けてきたこと、息子さんやお孫さんのお話など、とても興味深いことばかりでした。これまでお店に訪れたときは、お二人は話しかけることはせずに静かに黙々とお仕事をなさっていました。ですから、このエル・アルボルの雰囲気は料理と内装だけで判断していたのですが、実際にお話したことで、より家庭的で人間味のあるものだということがわかりました。

老舗ということで歴史も長く、常連の方も多いと思いますが、私も今までよりも多くこちらのお店に足を運ぶことになりそうです。美味しい料理とあたたかいおもてなしをしていただき、ありがとうございました。

エル・アルボル(EL ARBOL)
東京都新宿区四谷1-7(第2鹿倉ビル1F)

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