飛行機から見える風景

飛行機に乗るとワクワクする。そんな方たちも多いと思います。
しかし私は仕事の関係で乗る機会が多いので、少しうんざりしています。

そんな私でも窓から風景を見渡すと、気持ちは一変します。
眼下に広がる地上の豊かな表情と、大きな雲の群れ、美しい空の色。
自分が人間ではない何かになったような気がして、いつまででも眺めていたくなります。

今回はそんな飛行機から見える風景を、少しだけ紹介したいと思います。

飛行機から見える風景

翼の後ろに広がる雲海と大気。
変化のない風景なのに、いつまでも眺めていたくなるのはなぜでしょうか。
もし外気圧に耐えられるのであれば、素肌で風を受けて漂い続けていたいと思ってしまいます。

飛行機から見える風景

夏の入道雲と雲海。
地上の風景に劣らず様々な表情を持つ雲たちは、1秒ごとにその姿を変えていきます。
向こうにそびえるあの雲に近づいてみたい。雲の谷間を縫って進んでみたい。
そう思っても、雲はすぐさま形を変えてしまう。雄大な姿に憧れつつ、少しだけ切なくなる風景です。

飛行機から見える風景

見下ろすと、大海に1隻の船が見えます。
静かな海に雲が重なって、どこか船が空を漂っているように見えます。
船の乗組員に視点を変えてみると、自分もそこに乗り込んで飛行機を見上げているような気がして、旅を二重に楽しんでいるような、なんだか得した気分になってきます。

飛行機から見える風景

拡大してぼやけていますが、これも海を航行する船の写真です。
港の近くなので、みんなきちんと航路に従って並んでいます。なんだか船とは違うものに見えてきます。
飛行機に乗ると海や地球の大きさを実感しますね。

飛行機から見える風景

大連から旅立つ飛行機の風景。
日本とは全く違う街並であることが分かります。
建物はひとつひとつ小さく見えても、そこで暮らす人々は大勢います。
しかし私たち日本人とは違う文化で育ちながらも、人の営みは変わりません。
こうやってちっぽけに見えるからこそ、多少の違いなんて気にならなくなります。
そして広大な世界のなかで奇跡のように出会えた友人たちを、より愛しく感じます。

飛行機から見える風景

雪山の上を飛ぶ飛行機。
冬は山が白いひだを作り、雲と相まって美しい景色を作り出します。
遠くへ目を向けると、地平線が楕円に見えます。
地球や宇宙という存在を実感できる風景です。

飛行機から見える風景

富士山の優美な姿。
この風景を見ると、日本に帰ってきたことを実感します。
雲よりも高いところから、緩やかな稜線を描く姿はなんて美しいのでしょう。
この美しさは言葉では表すことができません。本当に美しい山です。

飛行機から見える風景

雨降る東京に降り立とうとしている飛行機の翼に、美しい虹の輪ができています。
よく見ると二重になっています。
こういった風景を見ていると、やはり空は、人間の存在する場所ではないのだと思えてきます。空は自然の領域であり、そのなかでも神のみが存在できる場所なのではないでしょうか。

飛行機から見える風景

実はまだまだ写真があるのですが、きりがないのでこの辺りにしておきます。
私はこのように空の風景を眺めつつ、Kindleで小説を読んでいます。
そんなときふと、私の小説「パルテノペ」に登場する陽太を思い出します。
彼は水になって空に舞ったときのことを語るのですが、きっと彼の見た風景は、この飛行機から見えるのと同じ風景だったのではと感じます。そして私も思いを馳せ、水や空と同化したような心持ちになります。

日本に戻ったら今ほどではないでしょうが、今後も飛行機に乗る機会が多いと思います。
そのときにはまた窓を覗き込み、空と想像の世界を旅したいと思っています。

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