4年目の春「センチメンタル(短編集)サウンドトラック」

季節の移り変わりが早いなんて思っていたら、年が経つのはもっと早いものだなと思いました。気がつきませんでしたがこのコラムも昨年の十一月に300回を迎えていました。

センチメンタル(短編集):スタジオ

先日、Rosco Motion Orchestraのブログで「センチメンタル(短編集)サウンドトラック」を取り上げていただきました。この楽曲は、Rosco Motion Orchestraに作っていただいた私の小説四篇のイメージ曲です。

センチメンタル – Rosco Motion Orchestra|塩澤源太「センチメンタル(短編集)」
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リリースしたのは2014年の三月でしたが、録音したのは二月の立春前後でした。その日だけはとても暖かく穏やかな陽気だったのを覚えています。山あいにあるスタジオだったので、道中は鳥のさえずりが聞こえ、空も真っ青で晴れやかな気持ちでスタジオに向かいました。

スタジオに到着するとRosco Motion Orchestraのメンバーがグランドピアノやヴァイオリン、ヴィオラやハープを美しく奏でていて、感動する反面、自分ごときが曲を依頼したことに恐縮してしまったことを思い出します。また、エンジニアの方はたくさんの機材を駆使して最高の音色を録音しようと真剣に取り組んでいただいていて、さらに申し訳ない気持ちになりました。

センチメンタル(短編集):スタジオ

スタジオは古い家屋をそのまま利用しており、辺りは静かで録音に支障がないので窓や扉も開け放しにしていました。皆さんの脇に座って演奏を聴きながらその光景を見ていると、柔らかい西日が穏やかに差し込み、古い家屋に静かに影を作っていて、何とも言えない豊かな心持ちになりました。後で録音した楽曲を聴いてみると、スズメのさえずりがほんのり聞こえてきます。そのさえずりを聞いていると、録音時の豊かな雰囲気が楽曲に織り込まれているように感じられます。

四年経った今でも、私はこの四つの楽曲を繰り返し聴いています。この楽曲によって、個人で引きこもって作った小説がより多くの人たちと作り上げたような気がして、より愛着を持てるようになりました。
四篇ある作品ひとつひとつを繊細に読み込み解釈してくださり、素晴らしい楽曲に仕上げていただいたRosco Motion Orchestraには感謝しきりです。

それから二度ほど、Rosco Motion Orchestraとは「Impressions」というライブに脚本として参加させていただく機会に恵まれ、才能のある芸術家の皆さんとコラボレーションできる喜びを味わうことができて、本当に嬉しく思います。

Rosco Motion Orchestraの楽曲はライブだけでなく、インターネットでも聴くことができるので、ぜひアクセスしてみてください。
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