雑司が谷の大鳥神社の酉の市

今年は三の酉まであった酉の市。浅草の鷲神社など大きな酉の市だけでなく、全国の神社でも酉の市が行われました。

東京都豊島区雑司が谷:大鳥神社

私は毎年、浅草の鷲神社の酉の市に行くことを楽しみにしていますが、雑司が谷の大鳥神社の酉の市も楽しみにしています。浅草は約八十万人の参拝客が訪れるといいますが、雑司が谷はそこまで多くの人は訪れません。地域に住む人々が大半で、熊手の業者も二軒ほどのこじんまりとした規模です。

東京都豊島区雑司が谷:大鳥神社

それでも、この酉の市を楽しみにしている人々が多く、参拝の列ができるほどです。また、御朱印が酉の市の仕様になることから、多くの人が並んでいました。列を待つこと十五分、御朱印をいただくまで四十分以上と大盛況でした。

昨年から御朱印に興味を持ち始めたのですが、大鳥神社でこんなに並ぶとは知りませんでした。並んでいる人たちを見ると地元でない方も多いようだったので、最近ますます雑司が谷に注目が集まっているのかもしれません。ドラマの舞台にもなりましたが、ようやく雑司が谷の魅力に気づき始めたのだなと誇らしく思いました。

東京都豊島区雑司が谷:鬼子母神の公孫樹

御朱印を待つ間、すぐ近くの鬼子母神まで歩いて公孫樹の紅葉具合を確認します。まだ完全に黄色くなってはいないものの、いつ見てもこの樹は雄々しく、それでいて優しい眼差しで地域を守護してくれているような気がします。

東京都豊島区雑司が谷:鬼子母神

秋も深まり、もう冬の気配に包まれています。差し込む影も、見上げる空も、ずいぶん寂しげに見えます。このような些細な変化を感じられることは、本当に幸せなことだなと思います。

東京都豊島区雑司が谷:大鳥神社

大鳥神社の境内はさほど広くないのですが、露店が並ぶとずいぶんと広く見えます。たくさんのお客さんが各々楽しんでいて、それを見ていると自然と顔がほころびます。

東京都豊島区雑司が谷:大鳥神社

このコラムでも紹介した、私のお気に入りのたこ焼き屋さんも営業しています。たこ焼きを購入して火傷に気をつけながら頬張りました。こちらのたこ焼きは本当に美味しいので、雑司が谷にお越しの際はぜひ食べていただきたいと思います。

東京都豊島区雑司が谷:大鳥神社

大鳥神社で授与される福包熊手御守は昨年は金色でしたが、今年は赤い色でした。一年経つと神社に納めるのですが、毎年異なる色なので楽しみにしている人も多いようです。

雑司が谷の大鳥神社の酉の市のように、小規模ながらきちんと地元の人々も参加して執り行われ、一年を締めくくるというのは本当に素晴らしいことだと思います。地域に住む人々のアイデンティティの醸成に繋がり、人と人、人と自然との絆が育まれます。
地域や周りの人、そして自然に感謝し、それらを慈しむ心をいつまでも持ち続けていたいものです。

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