天気予報やニュースでは「夏日も多く本格的な秋はまだ先」だと伝えられていますが、私の印象ではすっかり秋です。
外を歩いていても秋の到来を感じます。庭の金木犀と銀木犀も花が咲き、離れていても香りが届いてきます。いつもは九月後半に咲きますが、今年は暑かったためか若干遅かったようです。
例年に比べて花が多く咲きましたが、きちんと施肥を行ったからでしょうか。雨が降ればすぐに落ちてしまいますが、たくさんの花が見られるのは嬉しいものです。
二年前はちょうど同じ時期に二度咲きしていたようです。その頃の写真を見るとお気に入りの猫がまだ元気でいたことがわかり、たった二年で色々と変わったなとしみじみ思いました。新しい植物やメダカたちが加わりましたが、庭の雰囲気はまるで変わっていません。樹木が朽ち果てるように時間がゆっくり経過するだけで、その変化に気付くことはあまりありません。
金木犀の寿命は数十年から数百年といわれているようです。地植えをすると大きく育ちすぎ、強剪定すると花が咲かなくなるそうです。庭の金木犀も鉢植えにしていますが、はたしてどのくらい生きるのでしょうか。この時期以外は誰の目に留まることはないですが、花が咲くと悠久の中の儚さを感じます。
私が年老いてこの世を去ったとき、おそらく庭の植物も捨てられるのでしょう。まだまだ先のどこか遠い場所のように思いますが、ふと立ち止まったときに終着点にいるのだと気付くのだと思います。
すこし寂しく思いますが、旅立ちのときも庭の金木犀と銀木犀の香りを楽しめたら気を紛らわせることができるのかもしれませんね。