二十四節気も大暑に入り、季節的にも夏本番です。土用の丑や花火大会、そして子どもたちは夏休みと、一年の中で最も賑やかな季節がやってきました。
巷では、小さなモンスターを追いかける人々で溢れかえっていますが、大暑の季節はスマートフォン越しでなくとも様々な生き物たちに出会えます。巣立ったばかりのツバメはまだ飛び方も危なっかしく、よろよろと空を行き交っています。屋外の水槽には小さなヤゴが生まれ、他の生物たちを捕獲しようと息を殺して様子を伺っています。
すでに成長したトンボは美しい体躯の色を発し、いつしか東京の池や川を住処としたミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)は餌をもらおうと川淵にやってきます。野良猫もいつものように、路上や塀の上でのんびりと佇んでいます。
このように小さな生き物たちを眺めることができる世界とは、なんて素敵な世界なのでしょう。もっと刺激的で面白みのあることを探す意味なんて、あるのでしょうか。
夏の季節を祝うお祭りなどを見ていると、昔の人たちが身近なことで心を満たしていたことを感じさせられます。もちろん私も新しいスマートフォンのアプリを楽しんではいますが、絶対的にかなわない魅力的なものたちが、道端にあふれています。
今後も当たり前のように続く世界かもしれませんが、振り返った時には「最も輝いていた時代」として思い起こされるかもしれません。きちんと噛み締めておきたいものです。