室積の旅もこれで最後です。厳島神社を参拝したあとは、広島の平和記念公園へと向かいます。
厳島神社のフェリーターミナルの一番奥の桟橋から、平和記念公園へと直接アクセスできる「ひろしま世界遺産航路」に乗ります。外国人の乗客が多く利用していました。
海の状況によっては揺れが激しいかもしれませんが、広島市内を流れる旧太田川（本川）に入るころにはデッキに出られてとても気持ちがよいです。すれ違う船や土手から手を振ってくれる人も多く、おすすめの航路です。
平和記念公園に入って元安川に入ると、原爆ドームが見えてきます。人生で初めて訪れましたが、目の当たりにすると観光気分が一転、心が締め付けられるような気持ちになります。
下船してからあらためて原爆ドームを見学します。地面に落ちた残骸など当時のままに残されていて、原爆の凄まじさを実感しました。それでも、このドームの直上から衝撃波を受けたので形が残っていますが、まわりの建物は跡形もなく崩れ去りました。
原爆ドームは「負の世界遺産」と言われますが、たしかに現実感をともなって原爆の悲惨さが直接心に響きます。黙祷を捧げる外国人たちも多かったです。
国境に関係なく祈りを捧げる人々が公園のそこかしこにあふれていました。この地や長崎で起きたこと、そして日本や世界中で起きている戦争に対して、あらためて深く考えさせられました。
旅の最終日ということもあり、時間が少ないので次の目的地に向かいます。平和記念公園から北上した場所にある広島城を見学しました。外観はとても趣があり素晴らしかったのですが、中は鉄筋コンクリートの博物館になっていてびっくりました。広島城も原爆で倒壊し、1958年以降に再建されたそうです。
広島城を見学し終わるとすでに夕方になっていたので、路面電車で広島駅へと急ぎます。広島は非常にコンパクトな街で、発展していながらものんびりとした雰囲気が漂う素晴らしい街です。平和記念公園もじっくり見学したいので、また機会を見つけて訪れたいと思います。
夜の新幹線に乗って、ついに東京にたどりつきました。今回の旅では室積を中心に、錦帯橋や厳島神社などいろいろなところをまわりました。今後はゆっくり旅を楽しむ時間が少なくなりますが、未だ足を踏み入れたことのない日本各地を訪れたいと思いました。
