伏見稲荷大社

室積の旅のあと、しばらくして京都と伊勢に訪れました。京都のお目当ては私の大好きな伏見稲荷です。

京都府京都市伏見区深草:伏見稲荷大社

十五年くらい前でしょうか、私は東京の稲荷神社をめぐっていたことがあります。東国三十三国稲荷総司の王子稲荷に集まる狐たちの伝説を知って、各地にある眷属の狐を写真に撮ろうと思ったからです。稲荷信仰にもかなり詳しくなり、当然のように京都の伏見稲荷大社にも訪れてみたいと思い始めます。それから、幾度となく参拝しています。

京都府京都市伏見区深草:伏見稲荷大社

訪れるときは大体雨が降っていましたが、今回も雨がぱらつく天気でした。山下の街並みを見ることができましたが、足元は滑るのですこし注意しなければなりませんでした。しかしながら、私は雨の伏見稲荷が大好きです。

京都府京都市伏見区深草:伏見稲荷大社

伏見稲荷は稲荷山全体が信仰の対象で、かつては古墳だったそうです。山を進むと木々や植物が鬱蒼と茂り、すこし重苦しい雰囲気に包まれています。あちこちに点在する狐の像も苔がむしていて、自然と渾然一体となっています。山全体が霊気に包まれ、異界に彷徨いこんだようです。雨が降っていると、その雰囲気がさらに増すように思います。

京都府京都市伏見区深草:伏見稲荷大社

お寺のように清廉な印象だけではなく、生と死、人間と自然の狭間にある怪しげな雰囲気が私を惹きつけます。

京都府京都市伏見区深草:伏見稲荷大社

最近はメディアや京都人気の影響からか、観光客がとても多くなりました。しかしながら、それでも伏見稲荷の霊気は衰えていないように感じました。
さらに時代が変わっても、伏見稲荷だけは変わらないでいてほしいと思いました。

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