前回は小石川植物園の梅の話をしましたが、今回は昨年11月に公開された新しい温室のお話です。
小石川植物園の北側中央には温室がありますが、しばらく建て替え工事が行われていました。解体された旧温室は味わい深いものでしたが、新しい温室は広さが4倍(公開部分は2倍)となり、とても見応えある素晴らしいものでした。
小石川植物園の魅力は、ほかの植物園と異なり質素でアカデミックな雰囲気が漂うところです。展示してあるのは珍しく希少な植物だとしても地味で見分けのつかないものも多いのですが、かえってそれが興味をそそります。
また、現在では普通の花屋さんで売っているような植物も展示されています。上野動物園も同じなのですが、身近にあるものをじっくり観察できるというのも面白いものです。
温室は120年の歴史があり、旧温室は耐震性の問題から2008年に一般公開が中止されたそうです。前に訪れたのはそんなに昔のことだったのかと驚きましたが、確かに以前入ったのは私が上海に長期出張する前でしたので、10年以上前の話になります。
この温室によって入園料が値上がりしましたが、温室の価値を考えるととるに足らないものだと思います。これからも私たち庶民にとって身近で、学術的貢献を果たしてくれる施設であり続けてほしいと思います。