楽しかった思い出や美味しかった料理のビジュアルを見ていると、なんだか元気が出てきます。コラムを書く際に、久しぶりに古いアルバムを覗いたら美味しそうな料理ばかりだったので並べてみることにしました。
きちんと撮影していないものもあるのでお見苦しい写真もありますが、個人的な気まぐれで眺めたいだけなので、ご容赦ください(そして、かなり写真が多いのでご注意ください)。
まずは今回のコラムを書くきっかけとなったブルックリンハイツにあったCranberry’sのロースターサンド。グリルした鶏の胸肉にドライトマトが効いた珠玉の逸品。お店は閉店してしまったので二度と食べることができないのが残念でなりません。
パートナーがチョイスしたサンドイッチはハムとチーズとトマト、それにレタスが入っています。これも非常に美味しそうですが、私のロースターサンドのほうが美味しかったそうで、悔しがっていたのがいい思い出です。
お店には私のチョイスしたロースターサンドに入っていたと思われるチキンやごろごろとしたラタトゥイユ、カツレツなどがありました。どれを食べても美味しそうで、近くにあったらかなりリピートしていたと思います。
コーヒーショップやお惣菜を売っているデリは、私とパートナーにとってお洒落なレストランよりも魅力的でした。こちらのLassen and Hennigsもブルックリンハイツにあり、お惣菜がとにかく豊富です。
ニューヨークはとにかくチキンが美味しそうなものばかり。ハーブと合わせたグリルチキンでも、お店によって個性が異なるのが魅力的です。
チーズもふんだんに使用されていて、見ているだけで幸福度がアップしそうです。マカロニとチーズという定番ものでも、日本で販売しているものより美味しそうに見えるのはなぜなのでしょうか。
中央はオリーブオイル、レモン汁、ガーリック、ハーブや胡椒が効いたグリルチキン。おそらく白身魚のカツレツや、そのほか写真に写っているもののすべてを食べてみたいと思わせます。
こちらは郊外のピアモントにあるCanzona’s Marketというグロサリーストアの品々。経営をしている家族の方たちはとてもハートフルで、長い時間おしゃべりをした思い出深いお店です。
サンドイッチやブリトーをはじめとして、どれも本当に美味しくて感動しました。お店の雰囲気は「ピアモントのお店たち」という記事で紹介しています。
こちらもピアモントにあるBunbury’s Coffee Shopというコーヒーショップのサンドイッチ。スターバックスもないピアモントでは貴重な若者向けのコーヒーショップです。
こちらはブルックリンのブッシュウィックにあるJessi’s Coffee Shopというお店のサンドイッチです。お店は昔ながらの味のある外観で、内装はすこしおしゃれな感じでした。味の評価が非常に高いのですが、ブッシュウィックに訪れる前のピアモントやブルックリンハイツで過ごした時間が充実していたので、すこしダウナーに傾いた気持ちが味覚に影響しました。人間の感覚って面白いものですね。
こちらはブルックリンのパークスロープにある、ちょっとおしゃれなBKLYN Larderのお惣菜類。チーズを主力としているお店です。ローストチキンはほかのお店と同様にハーブが散りばめられていますが、オーガニックであることが売りです。
そのほかのお惣菜も美味しそうで、さらにはヘルシーな印象があります。ポンド売りなので約450グラム、12ドルなので日本のデパ地下とたいして変わらない値段なのでしょうか。
ハイソサエティ向きのお高めスーパーマーケットはニューヨークにたくさんあります。こちらはアッパーイースト、Lexington Ave沿いにあるButterfield Market。色とりどりのさまざまな種類のサラダが手軽に味わえます。
ターキーバーガーをはじめ、おしゃれなシュリンプ、奥のズッキーニのマリネも美味しそうです。訪れた時はなにも買いませんでしたが、あらためて写真を見ると美味しそうだなと思います。
Amazonに買収されたWhole Foods Market、お気に入りはブルックリンのThird and 3rdでした。こちらもたくさんのお惣菜がひしめいています。
ありとあらゆるものが美味しそうで、お腹に限界がなければすべて購入してしまいたいくらい魅力的です。わくわくしながら選んで購入し、実際食べるときには期待感が半減しているのですが、あらためて写真で見ても心が躍ります。
私の好物の米類も充実しています。日本のねっとりとした味わい深いお米も大好きなのですが、アメリカで食べるピラフのようなお米も大好きです。
お店で並んでいると何割か増しに美味しそうに見えるのが本当に不思議です。ホテルの朝食のビュッフェも同じような現象に陥りますが、これはいったいなぜなのでしょう。
お肉類もとても魅力的に見えます。ソーセージに目を奪われますが、隣のジンジャー照り焼きチキンが売れているのも気になります。自分でつくる際の参考にしてもいいかもしれません。
Whole Foodsではオリーブも充実していました。これらの写真を眺めながら、皆んなで「どれを選ぶ?」と同時に指差してみても面白いかもしれません。
ニューヨークではおしゃれな雰囲気を醸し出すお店にいくつか訪れました。こちらはBrooklyn MuseumにあったBKM Bowlというレストランです。いわゆる、丼ものを提供するファストフードのようなお店で、キムチなどもメニューにありました。
オーダーするとプラスチックの丼の容器にさまざまな食材を載せてくれます。手前には野沢菜の漬物ようなものも見えますね。訪れたのは5年以上前なので記憶は曖昧ですが、なかなかチャレンジングなメニューを揃えていたようです。
BKM Bowlは新型コロナウイルスの影響からか営業を停止しているようで、BkM Food Truckとして2022年春に営業を始めるようです。
おしゃれ系というと、ノリータにあるBlack Seed Bagelsも外せません。はじめて口にしたときの、もちもちのベーグルの感動は忘れられません。最初に訪れた時は店舗は2軒くらいだったように思いますが、今では7店舗まで数を増やしたようです。
眠い目を擦りながら、もくもくと蒸気を噴き出す道路を見て「映画のニューヨークそのままだ」と感動し、さらにBlack Seedのベーグルを食べて、その味に歓喜したことを覚えています。
その感動が忘れられず、翌年にも訪れて味わいました。しかしながら、昨年のような驚きはなく、パートナーと一瞬無言になってしまいました。
二回目で最初の感動が薄れたか、期待しすぎたか、一年の間にさらに美味しいものを味わったからか、その原因はわかりません。人間というのはとても勝手な生き物で、そしていい加減でもあります。願わくば、再度訪れてその原因を確かめたいところです。
おしゃれなお店で忘れてはならないのが、Cafeteriaというお店です。ここは23rd Street駅から南下した7th Ave沿いにあり、ウェブサイトを見ても私の趣味にはあまりそぐわない、わかりやすくおしゃれなお店です。パートナーは好物のエッグベネディクトをオーダーしたので、日本に戻ってからポーチドエッグを調理して喜んでもらえたことが嬉しかったです。
しかしながら、私のオーダーしたレモンリコッタパンケーキが異常なまでに美味しくて、パートナーに羨ましがられました。思えばこのときから、私の選んだもののほうが美味しいものを引き当てるというジンクスが生まれたのだと思います。実際は五分五分だと思いますが、こういったやり取りは面白いですよね。
おしゃれなお店はまだまだあります。ブルックリンのBrooklyn Farmacy & Soda Fountainもそのひとつです。店内の雰囲気から店員さん、その制服までこだわったフィフティーズ風のソーダファウンテンで、日本にはなかなか存在しないお店です。
基本は甘いものだらけなので、脂っこい食事をした後かたくさん歩いてカロリーを消費したあとに訪れるといいと思います。クリームやアイスクリームが絶品なので、お店の雰囲気を味わいながら身体を休めるといいと思います。
ブルックリンハイツのAdam Yauch Parkに近いLuzzo’s BKというお店も、非常におしゃれなイタリアンレストランで、ピザの種類が充実していました。
日替わりのスープの隣に見切れているパンもとても美味しかったのを覚えています。店内はおしゃれな若者が多く、流行り廃りの影響を受けそうでしたが現在も元気に営業しているようです。
ピザといえば、ニューヨーク郊外のピアモントにあった2 Kings Pizzaも美味しかったです。とろとろに溶けたチーズとトマトソースの味わいが素晴らしかったのですが、残念ながら閉店してしまったようです。
Luzzo’s BKとは異なり、店内はアットホームな雰囲気でした。ピアモントの家族連れのお客さんなどもいて、のんびりくつろげる素敵な場所でした。お店の雰囲気は「ピアモントのお店たち」という記事で紹介しています。
マンハッタンのリトルイタリーにもたくさんのイタリアンレストランがあり、そのうちの1軒であるOriginal Vincent’sに入りました。下調べをせずにふらりと立ち寄ったのですが、1904年の創業だそうです。
サラダなども洒落っ気がなく、アメリカのイタリアンレストランに来ていると実感する野暮ったい雰囲気が、かえって心地よかったです。
素晴らしく美味しいかといわれると正直それほどでもなかったのですが、私が好きだった八十年代のアメリカ映画の舞台にいるようで興味深く過ごせました。
イタリアンといえば、きちんとしたレストランではなく駅などのフードコートで食べるジャンクフードも大好きです。とりわけ、長距離間バスの巨大ターミナルであるPort Authority NY NJ Bus Terminalはたくさんのお店が入っていて楽しかったです。このターミナルは私が大学生のとき、ロスからグレイハウンドでアメリカを横断してはじめてニューヨークに降り立った場所です。
さまざまな種類の料理があり、どれもファットで身体に悪そうなものばかり。しかしながら、それがとても美味しそうに感じます。長い間ニューヨークにいたら、太ってしまいそうですね。
長距離間バスのターミナルなので地方出身者のお客さんも多く、リアルなアメリカを目の当たりにしている気分になります。これもアメリカ映画の影響ですが、自分がロードムービーの主人公になった気持ちにさせてくれます。
ニューヨークのイタリアンといえば、1ドルのスライスピザが有名ですが、直近二回の旅行では利用しませんでした。イタリアンというよりもほとんどアメリカ独自の料理になっていますが、最近ではポストコロナのインフレによってお店が激減しているそうです。
Port Authorityはイタリアンだけでなく、サンドイッチやハンバーガー、朝食プレート、ブリトー、スナック菓子まで揃っています。一度にすこしずつたくさんの料理を注文したくなります。
ハンバーガーやブリトーのサンプルはボリュームがあり、とても魅力的です。ビジュアルがあることで英語が苦手な人でも安心して選べますね。
実際にオーダーしたハンバーガーは肉はもちろん、ソースやトマトもボリュームがあり大満足でした。また、主役を食ってしまうほどのポテトの量も期待を裏切りません。
ハムとチーズのサンドイッチも野菜がたっぷり入っており、ジューシーな感じに仕上がっています。ただし、ヘルシーかどうかはわかりません。
JFKのフードコートで食べたパニーニも肉厚で美味しかったです。もっちりとしたパン生地とチーズとベーコンの相性が素晴らしいのですが、ジャンクな雰囲気がいちばんの魅力です。
ジャンクなものが食べたければ、ファストフード店も欠かせません。もちろん、本場で食べるマクドナルドやバーガーキング、高級志向のシェイクシャックなどもいいですが、私はニューヨークに行くと必ずコニーアイランドにあるホットドッグの有名店、Nathan’sに訪れます。
ホットドッグははじけるソーセージとくたくたのバンズが魅力なのですが、1つだと物足りない量です。ほかのお客さんは何個もオーダーしているのですが、私はハンバーガーなどホットドッグ以外のメニューもオーダーします。
ニューヨークは年越しに訪れるので、海岸沿いにあるコニーアイランドは大西洋からの風がとてつもなく冷たいです。ジャンクフードでカロリーを摂取して、心も身体もあたためます。
アメリカのジャンクフードといえば、屋台も美味しいものが多いです。上の写真はPort Authorityやタイムズスクエアに近い映画館、AMC Empire 25前の屋台で購入したチキンオーバーライスです。こちらもとんでもなく美味しかったです。屋台は偶然美味しいものを引き当てる面白さがありますね。
ダイナーも魅力的な料理を提供してくれます。私がニューヨークでいちばん好きな店舗形態かもしれません。アッパーイーストにあるViand Coffee Shopは雰囲気抜群で、古き良きニューヨークの魅力が詰まっています。
一皿の量がとても多く、食べ切るまでに飽きてしまうのもアメリカらしく、なんとも愛おしく感じます。こちらのチキンはグレービーソースとマッシュポテトがまろやかで優しい味でしたが、凶暴なまでに大盛りでした。
ぽってりとした縁が魅力のカップに注がれたアメリカンコーヒーとマンハッタンクラムチャウダーが身体を温めてくれます。こちらのお店の様子は「味のあるお店」で紹介しています。
ダイナーはディナーもいいですが、やっぱり朝食で訪れるのもいいです。ピアモントのLizzie’sは卵を使った様々な朝食メニューが揃っていました。
卵料理にベーコンは欠かせないものです。かりかりに仕上げたベーコンはすこし身体に悪そうですが、塩味がまろやかな卵に合うのです。このお店も雰囲気抜群だったので、閉店してしまったのは残念です。
ブルックリンのクリントヒルにあったClinton Park Cafeも閉店してしまいました。Pratt Instituteの隣にあり、のんびりとした雰囲気で食事が楽しめる静かなダイナーでした。
朝食はじゃがいもや卵、ベーコンなど用いた非常にスタンダードなものでした。特筆するほどの味ではありませんでしたが、閉店してしまうのはやはり寂しいですね。
マディソンスクエアガーデンから2ブロックほど西へ行った場所、地下鉄の23 StにあるMalibu Dinerは、朝だけでなく二十四時間営業していました。
こちらのお店も垢抜けない内装で、ニューヨーカーが普段使いしているような雰囲気です。私にとって一度の旅行で同じお店に行くのは珍しく、朝と深夜に二回ほど訪れました。
ほかのお店でも同じですが、卵はスクランブル、プレーンフライ、オーバーイージー、サニーサイドアップの四種類が選べます。この自分で選ぶのがローカルっぽく、スマートにオーダーできるとちょっと嬉しくなります。
当然ベーコンもかりかり、トーストも薄くてしっかり焼き上げています。これらをフレッシュなオレンジジュースやコーヒーで流し込むのが最高にアメリカンです。
ジャズ鑑賞の帰りに訪れたときは、深夜にもかかわらずパニーニをオーダーしました。こうして振り返ってみると、私は同じようなものばかりオーダーしているように思います。
チキンとアボガドのサラダもニューヨークのローカルらしい雰囲気があります。コーンやトマト、きゅうりが可愛らしいですね。アメリカはチキンが美味しいとしみじみ感じました。
ラストは有名なGrand Central駅にあるOyster Barです。東京の品川にも支店があり、ニューヨークの内装にそっくりなようです。いつか行ってみたいと思っていますが、やはり本店の雰囲気を味わってしまったら魅力が半減しそうです。
Grand Centralは別の世界に迷い込んだような優美なロケーションですが、Oyster Barのアーチ型の店内も本当に素晴らしいものです。観光地として有名になりお上りさんっぽくて嫌いだと言う人もいますが、現地の人たちも気軽に利用していて人間観察すると面白いです。牡蠣やワインを気軽に楽しめ、心地よい気分にさせてくれます。
新型コロナウイルスによって国内で過ごすことに慣れてしまいましたが、こうして振り返ってみると海外で美味しいものを食べたい気持ちがわいてきます。いろいろと乗り越えるべきことはありますが、いつかまた味わいに向かいたいと思います。