歌謡曲に酔いしれる

音楽はとても興味深いものです。音楽には色々な意味があり、受け取る側の状況次第でその意味も変化するように思います。

山口百恵 横須賀ストーリー

多感な中学や高校時代、大学から今に至る大人の時代、音楽はとても重要な存在でした。格好良く見せるためのファッションであり、自身の哲学やポリシーを表す象徴でもありました。私は様々なジャンルの音楽を聴き漁っていましたが、大概は洋楽ばかり聴いていました。

フラワームーブメントへの憧れ、黒人文化への憧れ、ポエトリーリーディングへの憧れ、主にアメリカ文化に対して様々な影響を受け、それらにまつわる音楽を聴くことによって、自分自身の個性と重ね合わせてきました。

それらのジャンルに関して、今でもこだわりはあるのですが、歳を過ぎ初老を迎える私にとって、最近は子どもの頃に聴いていた音楽がしっくりときています。子どもの頃の音楽、それは日本の歌謡曲です。

親と一緒に観ていたテレビで流れていたり、親が聴いていたカセットテープに収められていたり、小さな子どもの頃に聴いていたフレーズが、今になってとても心に響きます。

このような感覚を見出すとき、中学時代に背伸びをして読んでいたメンズファッション誌のイタリア特集を思い出します。男性モデルがイタリアの鉄道に乗りながら音楽を聴いている写真があり、その脇に「イタリアの風景に日本の演歌が絶妙にマッチする」というコピーが添えられていました。その頃は「演歌なんて自分が大人になっても魅力的に感じないだろう」と思っていましたが、いやはや歳を取ってみると、演歌の哀愁が郷愁を誘い、耳障りがとても良いのです。

山口百恵 乙女座 宮

最近は雑多に昔の歌謡曲を聴き漁っていますが、最近のお気に入りは山口百恵の曲です。私が小学校を上がる前に引退してしまったので過去の人ではありますが、彼女の曲や歌声、そして生い立ちなどが魅力的で、色々と思いを馳せながら聴き入っています。

人はどこかのタイミングで、後ろを振り返る余裕が生まれてくるのだと思います。それが人生の曲がり角であり、前へ進みながらも後ろを振り返ることで、より深みのある人間になれるのだと思います。そのようなことも過去の歌謡曲を聴くと歌詞に出てくるので、なかなか面白いなあと思ってしまう今日この頃です。

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