rosco motion orchestra「Instrumental Live Vol.7」

去る12月6日、横浜の馬車道でrosco motion orchestraのインストゥルメンタルライブがありました。グループを取りまとめている中野徳子さんは私の友人でもあり、小説のテーマ曲を作っていただいたことがあります。

rosco motion orchestra Instrumental Live Vol.7

歴史的建造物である旧第一銀行横浜支店を改装した、ヨコハマ創造都市センター1Fホール。昭和55年から横浜銀行の本館別館となり、建物ごと運んで現在の場所へ移ってきました。
調べてみると、銀行建築で有名な西村好時の設計で、昭和4年(1929年)に建設、トスカーナ式オーダーの列柱を並べた半円形のバルコニーが美しい建物、という記載がありました(ヨコハマ創造都市センターのウェブサイトより)。

rosco motion orchestra Instrumental Live Vol.7

建物内は、白い壁に大きな窓、太い柱と高い天井が壮麗な雰囲気を醸してします。rosco motion orchestraのライブは、これまでも鎌倉の小学校などユニークな場所で開催されていますが、今回の会場も彼らにぴったりの物語性のある空間でした。

rosco motion orchestra Instrumental Live Vol.7

ライブの内容は前半と後半でガラリと変わる意欲的なものでした。前半ではレギュラー曲と、ライブ用に作られた新曲、そしてマリンバの独奏がありました。マリンバは気迫が感じられる演奏で、視覚だけで圧倒されてしまいます。そのため私はあえて目を閉じて集中してみましたが、複雑に絡んだ音色が影響し合っている様子がわかるような気がして、そのままどこかへ連れ去られてしまうような不思議な感覚に陥りました。

他にも「工場」と題した新曲や、トルンというベトナムの楽器を使った「竹取物語〜かぐや姫の昇天〜」など、意欲的な作品ばかりでした。

そして後半は、SETSUYA KUROTAKI(iiP)さんというプロデューサー兼サウンドスタイリストの方がゲストとして登場しました。生サウンドにデジタルが加わり、エレクトロの音色が新たな彩りを添えていました。それでも今までの世界観を否定するものではなく、それぞれがうまく引き立て合うかたちとなっており、文字通り「コラボレーション」といえる内容でした。
しかしながら個人的には、今までのrosco motion orchestraの印象を変えてしまうほどの挑戦も見てみたかった気がします。そのことを徳子さんにお話ししたら、彼女は別の機会に、今度はiiPさん側のフィールドに重きを置いてコラボレーションしてみるつもりだと話していました。

rosco motion orchestra Instrumental Live Vol.7

小説のテーマ曲を作っていただいたときも、徳子さんは同じようにコラボレーションのアイデアをたくさん出してくれました。相手の気持ちに沿う素敵な人柄ももちろんありますが、楽しみながら貪欲にものづくりを追求する姿勢があるからこそ、人々が彼女に集まるのだと思います。バラエティに富んだ演奏者が集まるrosco motion orchestraというグループがあるのも、きっとそのことが理由のひとつなのだと思います。

来年になったら新しいライブが開催されると思いますが、より多くの人々にrosco motion orchestraの曲を知っていただきたいと思います。ウェブサイトブログに情報が掲載されているので、興味のある方はぜひアクセスしてみてください。

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