最近、異なる意見を持つ人々の二極化が進んでいると思います。今まではある意味で安定していた両者のバランスが変わる兆しのように思えます。
一般的に、社会ではマジョリティとマイノリティが存在します。割合いの多くを占めるのがマジョリティ(多数派)で、少ないのがマイノリティ(少数派)です。これはバランス状態を表す言葉で、両者の思想や性質は時代や状況によって変化します。最近の日本では、今までマイノリティであった人々が少しずつ勢力を広げ、マジョリティに変化しつつある雰囲気がみられます。
このきっかけは、小さな声を集めることができるインターネットによるものだと思います。マイノリティの人々の意見が世間の人々の目に留まるようになり、マジョリティ側だった人々もその意見に感化されます。そして、バランス構造がゆっくりと変わり始めます。
また、政府など大きな権力を持つ人々が政策や方向性を変えることで、そのバランスも変化します。身近なところでは「健康志向」というキーワードがありますが、これもマイノリティの意見と権力者の思惑で作られたトレンドだと思います。
そして世間のトレンドが変わり始めると、人々の流動が始まります。今までマジョリティだった人々がマイノリティになり、その逆の動きも見られるようになります。両者のバランスが拮抗し始めると、そこに意見や思想の二極化が鮮明になります。
この状態は非常に危なっかしい反面、次の社会の安定に繋がる「産みの苦しみ」でもあるように思います。
私自身はそのような二極化が進むのではなく、異なる意見がある人がいても、両者がお互いの立場を尊重し合えるような「総マイノリティ」の状態が多数派になるといいなと思っています。しかしながら、思想を実現させるにはマジョリティとして大きなパイを取らないといけない場合もあり、現実的には「総マイノリティ」は難しいのかもしれません。