春の訪れと感謝の気持ち

まだまだ寒い日が続きますが、時折暖かい日射しが降り注ぎ、春が訪れたことに気づかされます。春分の日まであと一週間となりました。

La Primavera (Spring)1481 - 1482 Botticelli Filipepi | Uffizi Gallery

La Primavera (Spring)1481 – 1482 Botticelli Filipepi | Uffizi Gallery

天文学的には太陽黄経が0度(春分)、もしくは90度(夏至)までが春と定義されています。現在は354度くらいなので、あと少しですね。
ご存知の通り、季節は地球の自転軸の傾きによって変わります。自転軸は黄道面(太陽)に対して23.4度傾いているので、日本の場合は北極側が太陽に向いているときは夏、南極側が太陽に向いている時は冬、垂直のときは春と秋です。これは太陽との距離は関係なく、太陽と向き合う角度で決まります。

菜の花

外に出て草花や動物たちを観察すると、各々のペースで春を感じていることが分かります。梅などはすでに満開ですし、モクレンはそろそろ開花しようかというところです。あと二週間もすれば、皆が一斉に息を吹き返し、街は花と緑に包まれます。

自然の影響が少ない東京に住む人々は、冬でも春でも関係なく生活しています。寒ければコートを着ますし、暑ければ薄着になりますが、結局のところ仕事や生活は季節に関係なく続けています。飢えることもなければ死ぬこともなく、これは科学や社会の発展による恩恵ともいえますが、少々味気なさを感じるのも事実です。

ヤゴ

もし、人間が冬眠をする生き物だったら、より春の訪れを嬉しく感じることでしょう。もし、人間が越冬をする生き物だったら、再び故郷に帰り子育てできることに感謝することでしょう。冬に命を落としてしまう生き物だとしたら、自然に対して敬い畏れる気持ちを感じずにはいられないでしょう。

実際には、厳しい自然環境に囲まれて苦しんでいる人々もいると思います。そのような人々から「何を甘いことを言っているのだ」と笑われてしまうでしょうが、だからこそ私たちは自然に対して、より想像力を働かせて真摯に受け止めるべきだと思います。

春の訪れに感謝し、敬う心を忘れずにいたいものです。

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