身近な可能性の発見

17世紀にガリレオは月のクレーターを発見しました。さて、そのとき彼はどのように感じたのでしょうか。今までありもしないと考えられていたものが身近に感じられたとき、人はどのような気持ちになるのでしょうか。

月

数日前、一眼レフカメラ用の150-600mmの望遠レンズを手に入れました。今まで200mmで撮影していた月をその望遠レンズで撮ってみると、月の輪郭がクレーターによってデコボコしている様子まで捉えてくれました。
大きな物体であるにせよ、平均で38万4,400km彼方にある月をそこまで詳細に写してくれるレンズにも驚きますが、自分で撮影したことがより深い感動を覚えます。きっと自分で屈折望遠鏡を作り人類で初めてクレーターを観測したガリレオの感動はその何十倍も大きかったことでしょう。自分とは全く無関係のものだと思っていたものでも、詳細に観察してみると、意外に身近な存在であることに気づくのだと思います。

望遠レンズを手にした私は、連休中に野鳥撮影に出かけました。身近な存在のスズメやシジュウカラ、ヒヨドリなどを撮影していましたが、そのうち都内では見られないと思っていたカワセミの存在に気がつきます。私はてっきりカワセミは山奥の清流にしかいないと思い込んでいたのですが、80年代頃から都内の各所で観察できるようになっていました。
カワセミは留鳥なので、一年中都内で観察することができます。野鳥愛好家の情報を頼りに私もその公園に足を運んでみました。

カワセミ

するとどうでしょう。人間のすぐ近くをカワセミは元気に飛び回っていました。じっと水面を見つめ、狙い澄ましたように確実に魚を穫る姿は精悍で、輝くエメラルドグリーンの身体はまさしく「清流の宝石」の名にふさわしいものでした。

カワセミ

最初に情報を入手したときは半信半疑でしたが、少し電車を乗るだけで出会えたので本当に驚きました。月のクレーターと同じように自分と無関係だと思うものも、興味を持って少し行動するだけで、意外に身近に発見できるものなのかもしれません。そんな可能性を感じさせてくれるカワセミを励みに、あらゆることに挑戦できたらいいなと思います。

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